クレームはサービス業で避けられない問題のひとつですが、精神的に負担が大きく、落ち込むこともありますよね。
ネイルサロン運営にあたり、「お客様とトラブルになったらどうしよう」と不安に思う方もいるでしょう。
そこで今回は、クレームを未然に防ぐ方法や悪い口コミへの返信例文をご紹介します。
円滑な店舗運営のためにも、ぜひチェックしてくださいね。
ネイリストに多いトラブルやクレームは?
そもそも、ネイルサロンにはどのようなクレームが寄せられているのでしょうか?
まずはよくある事例をご紹介します。
ジェルネイルが浮いている
ジェルネイルの持続期間は3〜4週間程度です。
しかし、お客様の爪の状態やネイリストの技術力によっては、1週間程度で剥がれることがあります。
予約サイトのレビューを見ると、低評価の理由は「すぐに剥がれた」という口コミばかりです。
100%ネイリストに非があるとはいえませんが、お客様は期待を裏切られたと感じます。
お客様の満足度を高めるには、状態を見極めたうえでの事前説明と基本に忠実な施術が重要です。
料金が分かりにくい
複雑な料金設定は、お客様を混乱させることがあります。
希望するデザインを施すためには、どのメニューを選ぶべきか判断できない方もいるでしょう。
これからネイルサロンを経営する場合は、ネイル初心者のお客様でも分かりやすい料金設定を心がけてください。
なお、オプション追加やコース変更で合計金額が変わる場合は、クレームに繋がるケースもあります。
お客様に満足していただくためには、事前の料金説明と適切な提案が必要ですよ。
スタッフの対応が悪い
雑な接客はクレームの原因です。
サロンの予約サイトでは、スタッフの対応について以下のような口コミが寄せられています。
- 「スタッフの貧乏ゆすりが目に入り不快だった」
- 「直しをお願いしたら、面倒くさそうな態度をとられた」
- 「受付スタッフの私語が気になった」
不快に感じたお客様の多くは、二度と来店していただけません。
予約サイトに悪い口コミが記載された場合、新規のお客様からも避けられてしまうでしょう。
時間がかかりすぎている
施術中の体感時間は、お客様によって異なるものです。
長時間座っていることが苦痛、以前のサロンよりも時間がかかっているなどの理由から、指摘を受けることもあります。
予定の終了時間を過ぎる場合も要注意です。
お客様の予定に影響を与え、クレームに繋がる懸念がありますよ。
予約が取れていなかった
予約が取れていなかった場合、原因は以下の2パターンに分かれます。
- ネイルサロンの不備
- お客様の勘違い
予約システムのエラーやネイリストの管理不足の場合、お客様に多大な迷惑がかかります。
クレーム・トラブルに発展しないように、管理を徹底しましょう。
万が一お客様の不備であったとしても、対応次第でサロンの印象は大きく変わります。
別な日程の提案やご足労いただいたことへの感謝など、配慮を忘れないようにしてくださいね。
仕上がりのデザインや色が異なる
イメージと異なるデザイン・色に仕上がると、お客様はがっかりしてしまいます。
丁寧なカウンセリングが防止策となりますが、ネイリストの技術力によっては要望に応えきれないこともあるでしょう。
特に以下のようなケースはトラブルに繋がることが多々あります。
- 特殊なデザインを希望された場合
- サロンにないパーツの使用を希望された場合
- 抽象的なイメージを希望された場合
ネイリストによって、デザインの得意・不得意はあるものです。
しかし、お客様は「どんなデザインもお願いできる」と期待してサロンに来店されると心得ておきましょう。
>>ネイリストは休めない?土日・祝日に休みにくい理由と休日の過ごし方
トラブルやクレームになる原因
ネイルサロンのトラブルは、技術不足・コミュニケーション不足・接客マナーの悪さに起因します。
クレーム内容は多岐に渡りますが、基本的にはこの3点を改善することが大切です。
技術不足
セルフネイルの数倍高額なネイルサロンを選択するお客様は、クオリティを重視しています。
決して安価とはいえない金額を支払っているため、プロの技術力に期待するのは当たり前といえるでしょう。
ネイルの知識がないお客様でも、以下のようなケースでは技術不足を感じます。
- 仕上がりが汚い
- ネイルがすぐに剥がれる
- 施術中に怪我をした
ネイルオフやプレパレーションの工程を間違えると、お客様に怪我をさせることがあります。
お客様のからだの一部を取り扱っていること、クオリティを重視してご来店していただいていることの2点は常に忘れないようにしましょう。
コミュニケーション不足
コミュニケーションが不足すると、具体的なお客様の希望を汲み取れません。
どれだけ技術力があっても、「期待していたデザインではない」とクレームが入る懸念があります。
要望に応えるには、技術力だけでなく事前のカウンセリングと施術中の会話を大切にしましょう。
接客マナー
ネイリストは技術職であると同時に接客業です。
雑な言葉遣い・不愛想な対応はお客様を不快にさせるため、日頃から接客マナーには気を付けましょう。
スタッフ数の多いサロンは、マナー・接客研修も効果的です。
>>ネイリストになるには?1分で分かるネイリストになるための準備【まとめ】
トラブルやクレームの対処法
トラブルが発生した場合は、初期対応が大切です。
すぐに対処できるように、対応方法は事前に把握しておきましょう。
たらい回しにしない!すぐに対応する
複数名で運営するネイルサロンの場合、自分の担当外のお客様からクレームをいただくこともあるでしょう。
しかし、「私は担当ではないので」と他人に任せるスタッフの態度や、対応者が何度も変わる状況は、お客様をさらに不快にさせます。
担当を問わず、まずは最初の対応者がお客様の話をしっかり伺いましょう。
そのうえで、担当者・店舗責任者に変わるべきかを判断してくださいね。
言い訳はしない!まずは謝罪する
不満を感じたお客様は、ネイルサロンの真摯な対応を求めています。
内容を問わず、まずは誠心誠意謝罪をしましょう。
場合によってはサロン側に非がないケースもありますが、少しでも不快な思いをさせてしまったことは事実です。
お客様に納得していただくためにも、言い訳をせずお詫びの気持ちを伝えてください。
お客様の意見を最後まで聞く
お詫びの気持ちを伝えた後は、お客様の意見を最後までしっかり聞いてください。
興奮状態のお客様も、スタッフの傾聴・共感で少しずつ怒りが収まります。
うなづき・相槌を意識すると、傾聴する姿勢が感じられるでしょう。
話を遮ると、「こちらの話を聞いてもらえなかった」という二次クレームに繋がる懸念があります。
たとえお客様の勘違いだったとしても、途中で反論してはいけません。
お客様に合った対応をする
トラブルの原因は状況によって異なります。
お客様の状況・求めている内容に応じて、対応方法を変えましょう。
例えば、お客様が仕上がりに不満を感じた場合は、無料でのお直しが提案できます。
接客態度を指摘された場合は、今後の指導策を伝えるとよいでしょう。
口コミやメールには必ず返信する
いただいたご指摘には返信が必須です。
メールはもちろんのこと、予約サイトの口コミにも必ず返信をしましょう。
低評価の口コミに誠心誠意対応すると、ほかのお客様に与える印象も変わりますよ。
トラブルやクレームを防ぐためにできること
クレーム・トラブルを未然に防ぐため、日頃の対応に目を向けましょう。
お客様のカルテにメモする
求める内容や気になるポイントは人によって異なります。
対応の仕方や苦手なことは、ほかのスタッフもわかるようにカルテに残しておきましょう。
自分が接客するうえでも、メモをとっておくと便利ですよ。
しっかりとカウンセリングする
期待に100%応えるためには、技術力以前にカウンセリングが重要です。
以下の項目はすべてのお客様に確認しましょう。
- 希望する色・デザイン
- 予算
- 施術後の予定
お客様によっては施術後すぐに予定がある場合もあります。
「時間がかかりすぎ」というクレームを防ぐため、はじめにうかがってくださいね。
クレーマーに遭遇したらどうすればいい?
クレームのなかには、サロン側に非がないこともあります。
特に、大声で怒鳴ったり、過剰なサービスを要求したりするクレーマーには要注意です。
悪質なクレーマー対応は、以下の3点を心得ておきましょう。
- 冷静に対応する
- 無理な要求に応じない
- 過剰な場合は警察・弁護士に相談
威圧的な態度に委縮すると、相手の思惑にはまってしまいます。
クレームが激化することもあるため、常に冷静な対応を心がけてください。
なかには、言いがかりをつけて返金要求・金品要求をされるケースもあります。
一度受け入れると、次からも同じ対応を求められてしまうでしょう。
何度もクレーム対応を繰り返さないためにも、重要な項目です。
また、内容によっては、脅迫罪・強要罪に該当するケースもあります。
あまりにもしつこく過剰な要求をされる場合は、警察・弁護士への相談も検討してくださいね。
【口コミの返信例文】クレームを書かれてしまった時の返し方
ネット上に書かれたクレームは、返信が必須です。
以下の返信例文を参考に、謝罪の言葉を伝えましょう。
技術を指摘された口コミへの返信
口コミの内容を問わず、まずはご来店いただいたことへの感謝を伝えましょう。
次に、指摘された内容について具体的に言及し、誠心誠意謝罪をしてください。
具体的な対応策を記載することで、お客様に真摯に取り組む姿勢を伝えられます。
実際に技術力を指摘された場合は、以下の例文を参考にしてくださいね。
○○様
数あるサロンのなかから当店をご利用いただき、誠にありがとうございました。
この度は、私の技量不足によりご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。深く反省し、自分の至らなさを痛感しております。
ご指摘いただいた意見については真摯に受け止め、日々の練習で技術力向上に努めてまいります。
次回は必ずご満足いただけるよう精進致しますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
△△店 (名前)
接客を指摘された口コミへの返信
接客態度の悪さを指摘された場合も、基本的な謝罪の流れは同様です。
挨拶・感謝・謝罪・対応策の4つは必ず意識して記載しましょう。
上記に加え、再来店を促す前向きなメッセージも効果的です。
謝罪のみ記載した場合、「今後来店しないからと雑に扱われた」と思われかねません。
「お待ちしております」のメッセージがあるだけで、お客様に与える印象は大きく変わりますよ。
具体的な返信内容は、以下を参考にしてください。
○○様
この度は当店をご利用いただき、誠にありがとうございました。
せっかくご来店いただいたにも関わらず、当店スタッフの不適切なサービスによりご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。スタッフ一同、深く反省しております。
いただいたご意見を真摯に受け止め、スタッフ間での情報共有・研修を再度行い、再発防止に努めて参ります。
貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。
次回はご満足いただけるようにスタッフ一同お待ちしておりますので、今後とも変わらぬご愛顧のほどどうぞよろしくお願い致します。
△△店 (名前)
まとめ
今回ご紹介した内容は、ネイルサロンのトラブル防止に役立ちます。
避けられないクレームも、適切な対処法を把握しておくと早期に解決するでしょう。
ただし、自分でサロンを開業する場合は、より具体的な対応方法をネイルスクールで学んでください。
トラブル・クレームはサロンの存続に大きく関わるため、プロの指導を受けることがおすすめです。