「いつか独立して自分のお店を持ちたい」と思っているネイリストの方は多いのではないでしょうか。
しかし、何から手を付けてよいのかわからず、第一歩を踏み出せない方も多いはずです。
この記事では、ネイルサロン開業の流れや必要資金について解説します。
将来的に自分のネイルサロンを持ちたい方は、ぜひチェックしてみてください。
ネイルサロン開業資金はいくら必要?費用の内訳・節約方法も紹介
ネイルサロンを開業するための条件とは

ネイルサロンを開業するために、必要な資格や条件などはとくにありません。
ただし、ネイルサロンを開業すると個人事業主となるため、税務署に「開業届」を提出する必要があります。
また、開業後は毎年1年間の所得を計算し、所得税を申告する確定申告を行います。
ネイルサロン開業は個人事業主の届出必須
ネイルサロン経営は個人事業主となるため、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出する必要があります。
開業届とは、個人事業主として事業を始める際に提出する書類です。
開業届はe-Tax(国税電子申告・納税システム)での提出も可能ですが、事業の開始から1ヶ月以内に提出する必要があるため注意しましょう。
開業届を提出すると、特別控除を受けられる青色申告が可能となります。
青色申告を選択する場合は、開業届提出時に「青色申告承認申請書」も併せて提出してください。
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ネイルサロン開業|資金はいくら必要?

ネイルサロン開業の際に、資金がどれくらい必要なのか不安な方は多いはずです。
ネイルサロン開業に必要な資金を、店舗型と自宅型に分けてそれぞれ解説します。
店舗型に必要な資金
店舗を借りて開業する場合に必要な資金は以下の通りです。
用途 | 資金 |
---|---|
物件取得費(敷金、礼金、保証金) | 約50~300万円 |
改装費 | 約150~1,000万円 |
家具や照明などの購入費 | 約10~30万円 |
ネイル施術に必要な備品の購入費 | 約20~30万円 |
宣伝広告費 | 約5~30万円 |
店舗型ネイルサロンに必要な資金は、立地や店舗の大きさなどによって大きく異なります。
目安としては概算で250万円程度〜です。
元々がネイルサロンなどの居抜き物件を選択すれば、改装費は大幅に抑えられるでしょう。
家具や照明などは、リサイクルショップやフリマアプリなどで購入することで節約できます。
ただし、ネイル施術に必要な備品や広告宣伝費に関しては、妥協せずにしっかりとお金をかけたほうがよいでしょう。
自宅型に必要な資金
自宅で開業する場合に必要な資金は以下の通りです。
用途 | 資金 |
---|---|
改装費 | 約5~100万円 |
看板設置費用 | 約10~30万円 |
家具や照明などの購入費 | 約5~20万円 |
ネイル施術に必要な備品の購入費 | 約20~30万円 |
宣伝広告費 | 約5~10万円 |
自宅で開業する場合、敷金や礼金などの物件取得費が必要ありません。
目安としては概算で50万円程度〜です。
改装費は主に「内装費」ですが、壁紙を変更する程度で済むケースもあります。
家具や照明などは元から自宅にあるものを活用できますし、新たに購入する場合も店舗と比較すると規模が小さいため費用を抑えられます。
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ネイルサロン開業|店舗型と自宅型メリットとデメリット

店舗を借りるか、それとも自宅の一部を活用して開業するか悩んでいる方もいるはずです。
そこで続いては、店舗型と自宅型のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
店舗型のメリット・デメリット
店舗型のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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店舗型は駅前や人通りが多い場所などを選んで開業できるため、集客がしやすい点がメリットです。
また、仕事やプライベートの区別をしっかりとつけたい方に向いています。
店舗型のデメリットは、初期費用やランニングコストが高い点です。
とくに好立地の店舗を借りた場合、毎月の家賃が経営を圧迫する可能性があります。
自宅型のメリット・デメリット
自宅型のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
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自宅型のメリットは、敷金や礼金などの物権取得費がかからない点です。
持ち家なら賃料はかかりませんし、賃貸でも今までと負担は変わらないため気軽に開業でます。
出勤の必要もなく、予約時間を調整することで家事や育児との両立もしやすいでしょう。
店舗型のデメリットとしては、仕事とプライベートの区別をつけにくい、自宅をそのまま利用するため住所を公開しいくいなどが挙げられます。
郊外や住宅街では集客が大変ですが、大々的に宣伝ができなければ余計に集客に苦労する可能性があります。
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ネイルサロン開業|オープンまでの流れ

ネイルサロン開業を決意したら、どのように行動すればよいのでしょうか。
オープンまでの流れを6つのステップに分けて解説していきます。
オープン日を決める
まずはオープン日を決めましょう。
始めに物件を探す方もいると思いますが、先にオープン日を決めたほうが開店準備がスムーズに進みます。
物件を決める
次に店舗型にするか自宅型にするかを考え、店舗型にする場合は物件を決めましょう。
内装工事をする場合は時間がかかるため、余裕を持ってスケジュールを組んでください。
物件が決まったら、電気や水道などの開設も済ませておきます。
電話・ネット環境の開通
次に電話・インターネット環境の開通を行います。
電話・インターネット環境の開通には時間がかかるケースがあるため、物件が決まったら早めに申し込んでおいたほうが安心です。
内装・ネイル商材・備品の準備
内装デザインを決め、工事が終わったらネイル商材や備品の準備をします。
家具や照明などの備品はサロンのイメージに合わせて用意する必要があるため、事前に下見に行って決めるほうがよいでしょう。
内装工事が終わり次第、サロン内にネイル商材や備品を持ち込みましょう。
ホームページ・SNS開設
開店準備と並行して、広告宣伝のためのホームページやSNSを解説します。
ネイルサロン運営において、ホームページやSNSでの宣伝は必要不可欠です。
あらかじめメニューやオープン日を決めておいて、「○月○日オープン」というように大々的に宣伝をしましょう。
早期にホームページやSNSを開設することで、オープン前から問い合わせがくる可能性があります。
オープン当日に備えて最終チェック
ある程度の開店準備が整ったら、デザインサンプルやカラー見本などの細かいアイテムを準備します。
施術に必要な道具も、この時期に間に合うように発注しておきましょう。
施術に必要なものがすべて揃ったら、最終チェックを行い、あとはオープン当日を待つだけです。
ネイルサロン開業|おすすめ資格

ネイルサロン開業に資格は必須ではないものの、取得しておいたほうが有利です。
ネイルサロン開業におすすめの資格3つを紹介します。
JNECネイリスト技能検定試験
JNECネイリスト技能検定試験(ネイリスト検定)は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催する検定試験です。
ネイルに関する正しい技術・知識の向上を目的とした検定試験で、約940,000人の受験者実績があります。
参考:技能検定試験 概要
ネイリスト検定は1級を最高とし、1級・2級・3級の3段階に分かれています。
プロネイリストの基準となるのは2級といわれているため、ネイルサロン開業を目指すなら2級以上の取得を目指すのがおすすめです。
JNAジェルネイル技能検定試験
JNAジェルネイル技能検定試験(ジェルネイル検定)は、NPO法人 日本ネイリスト協会(JNA)が主催する検定試験です。
健全なジェルネイルの普及を目的に実施しており、ネイリスト検定と並んで有名な”2大ネイル資格“となります。
ジェルネイル検定は初級・中級・上級の3段階に分かれており、中級以上を取得するとプロとしてサロンワークに必要な専門知識・技術が習得できます。
ネイルサロン開業を目指すなら、中級2級以上の取得を目指すのがおすすめです。
JNAネイルサロン衛生管理士
JNAネイルサロン衛生管理士とは、JNAが主催するネイルサロンの衛生管理に関する資格です。
JNAが定めた「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を普及し、安全・安心なネイルサービスの普及と公衆衛生の向上を目的としています。
約180分間の講習を受けたあと、約20分間の確認テストに合格すると資格を取得できます。
ネイリストがネイルサロン衛生管理士を保有しているとお客様の安心要素につながるため、ネイルサロン開業を視野に入れているなら取得しておいたほうがよいでしょう。
ネイリスト検定とは?ネイル資格の種類と合格率・試験内容を難易度別に解説!
ネイルサロン開業|成功の秘訣とは?

ネイルサロンを開業するなら、徐々にリピーターを増して経営を安定させたいものです。
ネイルサロン開業を成功させる秘訣を3つ解説します。
コンセプトの一貫性
まずは、ネイルサロンのコンセプトを明確にしましょう。
一口にネイルサロンといっても、サロンの雰囲気や得意とする技術はさまざまです。
「キャラクターネイルが得意」「ニュアンスネイルがメイン」「シニア向けネイルサロン」など、自分が得意な技術や顧客ターゲットを明確にすることで他サロンとの差別化を計れます。
あれもこれもと手を出すとコンセプトがブレてしまうため、コンセプトに一貫性を持たせることが重要です。
成功例のリサーチ
成功しているネイルサロンをリサーチすることも有効です。
近隣サロンや自分のイメージに近いサロンを探し、ホームページやSNSをチェックしてみましょう。
成功しているネイルサロンには必ず理由があります。
「どのようなメニューを提供しているのか」「どのような部分がお客様に評価されているか」などチェックし、成功へのヒントを学んでください。
SNS集客
若い世代をターゲットにしているなら、広告宣伝にSNSの活用は欠かせません。
SNSの多くは無料で始められるため、チラシやインターネット広告のような費用もかかりません。
SNSは低コストかつ宣伝効果抜群なため、ぜひ積極的に活用してみてください。
ネイルサロン開業に関するよくある質問

最後に、ネイルサロン開業に関するよくある質問に回答していきます。
ネイルサロン開業は儲かる?
サロンで働くネイリストと比較すると、ネイルサロンを経営するオーナーのほうが高収入を見込めます。
ただし、ネイルサロンを開業したからといって必ず儲かるわけではありません。
サロンで働くネイリストとサロンオーナーの収入を比較してみましょう。
正社員ネイリストの平均年収は約330万円、月収にすると28万円ほどといわれています。
参考:求人ボックス
自宅ネイルサロンの場合、単価7,000円×1日3人×月20日で計算すると、月の売り上げは420,000円です。
売り上げの1割を経費とすると、月収は378,000円となります。
上記はあくまでも一例で、人気サロンになればさらに儲かる可能性もあります。
将来的には店舗数や従業員を増やせる可能性もあるため、ネイルサロン開業には夢があります◎
ネイルサロン開業の成功率はどのくらい?
ネイルサロンを開業した全ての方は成功するわけではありません。
ネイルサロン開業の成功率は10パーセント程度といわれています。
ネイルサロンの5年以内の廃業率は90%以上というデータがあるためです。
参考:ネイルサロンの事業譲渡・株式譲渡・M&A!動向、事例、相談先紹介 | M&A総合研究所
これからネイルサロン開業を検討している方にとって厳しい現実ですが、努力次第で10%に入ることは可能です。
東京都内の人気ネイルスクールおすすめ10選!選び方や目的別のコースを紹介
ネイルサロン開業の知識はネイルスクールでも学べる
ネイルサロン開業の際は、しっかりと準備をすることでスムーズに開業できます。
ネイルサロン開業の知識は独学でも得られますが、ネイルスクールで学んだほうが安心です。
独立・開業向けのコースを用意しているネイルスクールも多く、集客のアドバイスや開業時の道具が格安で購入できるなどのサポートを受けられます。
サロンサロン開業を目指して、ネイルスクールに通ってみませんか?
東京の安いネイルスクール3選!スクール選びに役立つ5つのポイント