ネイルが好きでネイリストの道を選んだものの、「退職したい」「転職したい」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ネイリストは離職率の高い仕事として知られています。
この記事では、ネイリストを辞めた理由や円満退社のポイントなどを解説します。
ネイリストを長く続けるコツについても触れるため、ぜひ参考にしてみてください。
ネイリストは離職率が高いって本当?

結論からいうと、ネイリストは離職率の高い職業です。
新卒ネイリストの離職率は50~80%といわれており、ネイルサロンに就職しても5~10人に1人が入社1年以内に辞めてしまいます。
厚生労働省が公表している「令和2年度における新規学卒就職者の離職率」によると、入社1年以内の離職率は以下の通りです。
- 高校卒:16.9%
- 短大卒:17.9%
- 大学卒:11.6%
ネイリストの離職率がいかに高いかが分かります。
ネイリストを辞めた理由・辞めたくなる8つの理由

ネイリストが辞める理由は人それぞれですが、大体の傾向があることをご存じでしょうか。
ネイリストを辞めた理由・辞めたくなる理由を8つ紹介します。
給与・待遇面への不満
ネイリストの離職率が高い理由として、給与・待遇面への不満が挙げられます。
ネイリストの平均年収は約300万円前後です。
20~30代前半のネイリストの場合、年収は約200~300万と予想されます。
初任給は大手サロンで18万円程度で、個人サロンで16万円以下といわれています。
仕事がハードな割に年収が低く、転職を考えるネイリストは少なくありません。
また、大手企業のように福利厚生が整っているネイルサロンは限られています。
休み希望が通りにくい
ネイルサロン勤務の場合、休み希望が通りにくいデメリットがあります。
ネイリストの休日は、営業形態にもよりますが月6~8日もしくは週2日のサロンがほとんどです。
少人数のネイルサロンでは、1人でもネイリストが抜けると営業に影響します。
よって、あらかじめ決まった休日以外は休みにくいのが現状です。
長時間労働・拘束時間が長い・休憩が取れない
サロンワークは長時間労働に加えて、休憩時間が取れないケースがあります。
ネイルサロン勤務の場合、1日8時間勤務に加えて練習のための居残り残業があるでしょう。
繁忙期は休憩時間を取れないこともあり、朝から夜まで立て続けに接客しなくてはいけません。
終業時間が遅い
ネイルサロンの営業時間は、朝9時から20時が一般的です。
営業終了後に清掃や翌日の準備、練習のための居残り残業などをしていると、帰宅時間はさらに遅くなります。
自宅と勤務先が離れている場合、帰宅できるのが深夜近くになる可能性もあります。
人間関係によるストレス
ネイリストを辞める・辞めたくなる理由として、人間関係によるストレスを挙げる方も少なくありません。
ネイルサロンは従業員が少人数かつほとんどが女性なため、人間関係が難しいといわれています。
中には従業員同士が和気あいあいとしているサロンもありますが、従業員同士がお互いをライバル視していて雰囲気が悪いサロンもあるようです。
身体的不調(アレルギー・腰痛・老眼など)
仕事自体に不満はないものの、身体的不調でやむなくネイリストを辞める方もいます。
ジェルやリムーバー、消毒液などに対してアレルギーを持っていると、ネイリストの業務を続けるのが難しいかもしれません。
また、ネイリストは何時間も同じ姿勢で施術をしなくてはいけないため、腰痛や眼精疲労などに悩まされている方もいます。
年齢を重ねて老眼になると、以前のように施術ができず、退職や転職を考えるきっかけになった方もいます。
サロンの方針と合わない
サロンでの仕事に慣れてくると、サロンとの方針と合わないと感じる方もいます。
一口にネイルサロンといっても、客層や経営方針はさまざまです。
「デザインの方向性が合わない」「お客様のクレーム対応に不満がある」などの不満を感じ、退職や転職の道を選ぶネイリストは少なくありません。
結婚・妊娠・出産
結婚・妊娠・出産などのライフスタイルの変化を機に、ネイリストを辞める方もいます。
ライフスタイルの変化を機に仕事をやめるのは、どの業界・職種でもよくあることです。
ただし、ネイリストは長時間勤務が常態化しているため、妊娠中の方や小さな子どもがいる方にとってはとくに負担が大きいでしょう。
短時間勤務制度(時短勤務)や福利厚生が整っていないケースもあるため、仕事を辞めざるを得ないケースが目立ちます。
ネイリストを辞めた理由【サロン転職の場合】

ネイリストを完全に辞めるのではなく、他のネイルサロンに転職したい方もいるでしょう。
サロン転職の場合、以下の2つの理由を挙げるネイリストが目立ちます。
スキルアップのため
サロン転職の理由で多いのは、自身のスキルアップのためです。
仕事に慣れてくると、サロンの方針とは合わない部分が見えてきて、「もっと複雑なデザインに挑戦したい」「自分らしいデザインを表現したい」などの願望が生まれてくるかもしれません。
自分の願望を叶えるために、高級ネイルサロンに転職してスキルアップを目指すネイリストもいます。
高級ネイルサロンに転職すると、収入アップも期待できます。
独立・開業のため
独立・開業のためにサロン転職を考えるネイリストもいます。
すぐに独立・開業するわけではないものの、将来的に独立・開業を視野に入れたい方は多いのではないでしょうか。
そのような方は、独立支援をしてくれるネイルサロンに転職したほうが何かとメリットがあります。
ネイルサロン開業資金はいくら必要?費用の内訳・節約方法も紹介
ネイリストを辞める前に|考えるべきこと

「ネイリストを辞めたい」と思っても、見切り発車で実行すると後悔する可能性があります。
ネイリストを辞める前に考えるべき4つの項目について解説します。
上司に相談する
ネイリストを辞めたいと思ったら、1人で決めずに上司に相談することをおすすめします。
待遇や人間関係に不満がある場合は、上司に相談することで問題解決のために動いてくれる可能性があるためです。
相談ひとつで以前よりも働きやすくなるなら、リスクを負って退職する必要はないかもしれません。
退職する1か月前を目安に申し出る
退職することを決意したら、退職する1か月前を目安に申し出ましょう。
退職を伝える時期については、「退職の2週間前まで」が一般的なルールです。
退職を申し出てから2週間経つと、原則として雇用主の許可なく退職できます。
ネイルサロンの場合は予約の関係もあるため、退職する2~3か月前に申し出るのが理想的です。
遅くても退職する1か月前を目安に申し出てください。
離職期間を空けすぎない
サロン転職をするなら、離職期間を空けすぎないようにしましょう。
離職期間が長いと、転職時に不利になる可能性があります。
また、離職中に技術が鈍ってしまい、サロンワークでのスピード感も鈍る可能性があります。
特別な事情がない限り、早めに転職することをおすすめします。
なるべく退職前に次の職場を見つける
離職期間が空きすぎないように、なるべく退職前に次の職場を見つけましょう。
離職中に技術が落ちるだけでなく、収入のない期間が生まれてしまうからです。
勤務を続けながら転職活動をすることに罪悪感を感じる方もいるかもしれませんが、一般的によくあることなので問題ありません。
退職前から転職エージェントなどを活用して、転職活動を開始しましょう◎
ネイルサロンを円満退社するポイント

「退職時にトラブルになったらどうしよう」と不安な方もいるかもしれません。
ネイルサロンを円満退社する3つのポイントを解説します。
前向きな退職理由を伝える
退職を申し出る際は、前向きな退職理由を伝えたほうがお互いに後味がよくなります。
たとえ給与や待遇に不満があっても、正直に伝えるのは避けたほうがよいでしょう。
人間関係のトラブルも同様です。
繁忙期を避ける
退職を申し出るタイミングは、繁忙期を避けるようにしてください。
繁忙期は多くの予約が入っているため、ネイリストが1人でも減ると業務に影響するためです。
たとえ1か月前に退職を申し出ても、繁忙期はシフトの埋め合わせが間に合わない可能性があります。
顧客の引き継ぎをしっかり行う
自分を指名してくれるお客様がいる場合、引継ぎをしっかりと行う必要があります。
退職時に顧客の引き抜きを禁止しているサロンが多いため、顧客は原則として他のネイリストに引き継いでもらいます。
顧客の希望も聞きながら、引き継ぐスタッフを選定しましょう。
引き継ぐスタッフが決まったら、顧客の基本情報や好みをシェアします。
顧客が今後も快適にサロンを利用できる配慮が必要です。
ネイリストを長く続けるには

続いては、ネイリストを長く続けるコツを3つ紹介します。
ネイリストを一生の仕事にしたい方必見です◎
待遇面が充実したサロンに就職する
待遇面に不満を感じてネイリストを辞める方が多いため、待遇面が充実したサロンに就職することが重要となります。
求人情報で確認してほしいポイントは以下の通りです。
- 仕事に見合った給与か
- 長時間勤務が常態化していないか
- 休み希望が通りやすいか
- 福利厚生があるか など
待遇面がよいサロンを選ぶと、ネイリストを長く続けやすくなります。
フリーランスで自由に働く
サロン勤務を辞めてフリーランスで自由に働く方法もあります。
フリーランスネイリストは、サロン側と雇用契約を結ばすに「個人事業主」として働きます。
フリーランスネイリストの主な働き方は以下の通りです。
- 独立・開業
- 出張ネイリスト
- 業務委託
- 面貸し
- シェアサロン
このようにフリーランスネイリストの働き方はさまざまです。
サロン勤務と比較して自由な働き方ができるため、家事や育児とも両立しやすいでしょう。
ネイル講師・経営者を目指す
ネイリストには、ネイル講師や経営者を目指す選択肢もあります。
ネイル講師とは、ネイルスクールで生徒たちにネイルの技術・知識を教える仕事です。
サロン勤務とはまた違うやりがいを感じられ、収入アップも期待できます。
さらなる収入アップを目指すなら、独立・開業するだけでなく、複数店舗を経営することを目指してみてはいかがでしょうか。
自分らしく働くために|おすすめのネイル資格

ネイリストに資格は必須ではありませんが、以下の資格を持っていると就職転職に有利です。
- JNECネイリスト技能検定
- JNAジェルネイル技能検定
- ネイルサロン衛生管理士
- JNAフットケア理論検定試験
- JNA認定講師
プロネイリストに求められる基準は、「JNECネイリスト技能検定2級」「JNAジェルネイル技能検定」です。
上記2つの資格を持っているネイリストは多いのではないでしょうか。
就職・転職を有利にするなら、さらに上の級や他の資格を取得することをおすすめします。
ネイリストを辞めた理由は人それぞれ
ネイリストを辞めた理由は人それぞれですが、「給与・待遇面の不満」や「人間関係」など大体の傾向があることが分かりました。
ネイリストを長く続けるためには、自分と相性がよいサロンを選ぶことが重要です。
また、ネイリストにはサロン以外の働き方もあるため、自分らしく働ける形態を選びましょう。
さまざまな選択ができるように、ネイルスクールに通って基礎からしっかりと学ぶことをおすすめします。
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