プロネイリストを目指すなら、ぜひ取得しておきたいのが「JNECネイリスト技能検定(ネイリスト検定)」です。
中でも最上位の1級は、合格率が低いことで知られています。
難易度が高いネイリスト検定1級を苦労して取得する必要はあるのでしょうか。
この記事では、ネイリスト検定1級の合格率が低い理由や取得するメリットを解説します。
ネイリスト検定1級とは

JNECネイリスト技能検定(ネイリスト検定)とは、公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催する検定試験です。
ネイリスト検定1級の試験内容や合格率を紹介します。
試験内容
ネイリスト検定は、ネイルの正しい技術と知識の向上を目的とした実践に役立つ検定試験です。
最上級の1級では、トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識を問われます。
1級では、3級・2級と同様に「実技試験」と「筆記試験」を行ないます。それぞれの内容は以下の通りです。
筆記試験 | ネイルの歴史、衛生と消毒、化粧品学(材料、内容成分、効果等)、爪の構造(皮膚科学)など |
---|---|
実技試験(事前審査) | テーブルセッティング&消毒管理、トレーニングハンドに装着したチップの状態 |
実技試験(本審査) | ネイルイクステンション(スカルプチュアネイル・チップ&オーバーレイ)、ネイルアート(ミックスメディアアート) |
制限時間は筆記試験が40分、事前審査が10分、本審査が150分です。
受験資格
ネイリスト検定1級の受験資格は、ネイリスト検定2級に合格していることです。
ネイリスト検定は飛び級ができないため、3級から順番に合格していく必要があります。
なお、前回の試験でネイリスト検定1級の筆記試験に合格した場合は、筆記試験は免除となります。
受験料
ネイリスト検定1級の受験料は12,500円(税込)です。
諸事情で当日試験を受けられなくても、返金は行われないため注意しましょう。(ただし試験施行中止は除く)
ネイリスト検定1級の合格率
ネイリスト検定1級の平均合格率は、40%前後です。
2024年現在、合格率は年々上がっていますが、3級(合格率90.9%)や2級(合格率57.1%)と比べれば合格率は低く、難易度が高いことが分かります。
参考:公益財団法人 日本ネイリスト検定試験センター 合否結果
ネイリスト検定1級の合格基準
ネイリスト検定1級の合格基準は、実技試験が50点満点のうち38点以上、筆記試験が100点満点のうち80点以上です。
実技試験は5点満点法で採点し、失格対象に該当していないことも合格基準となります。
ネイリスト検定とは?ネイル資格の種類と合格率・試験内容を難易度別に解説!
ネイリスト検定の採点基準

ネイリスト検定1級の実技試験では、「モデル受験」「JNEC認定モデルハンド受験」「事前審査」「実技試験」について採点基準が設けられています。
モデル受験について
モデルを同伴して受験する場合、モデルの対象者は15歳以上に限ります。(性別不問)
また、爪周りの皮膚に疾患が認められる場合はモデルになれません。
トレーニングハンドについて
トレーニングハンドの採点基準は以下の通りです。
採点基準 | 守らなかった場合 |
---|---|
トレーニングハンドがペーパーやタオルの上に衛生的に置かれていて、「右手」「左手」の指定がされていること。 | 減点 |
トレーニングハンドは、キューティクル周りに汚れや傷などがついていない清潔なものを使用すること。 | 減点 |
自分で文字、線、目盛などを記入したトレーニングハンドは使用禁止。 | 失格 |
トレーニングハンドを固定するためのアームや吸盤などは使用禁止。 | 失格 |
手首部分がないトレーニングハンド、指の部分が着脱可能なトレーニングハンドは使用禁止。 | 失格 |
トレーニングハンドは試験開始時には擦式清拭消毒をすること。 | 減点 |
トレーニングハンドに装着・使用できるのは、チップ、フォーム、「右手」「左手」記載の品名ラベルのみとすること。 | 減点 |
トレーニングハンドの指部分が固い場合、人の手と同様に丁寧に扱うこと。 | 減点 |
トレーニングハンドの指間が広げにくい、もしくは広げても元に戻りやすい場合、指間への挟み込みに消毒済みのCカーブ用スティックを使用すること。 | 減点 |
使用するチップはナチュラルのみで、事前に10本すべてに装着してくること。 | 失格 |
審査開始時にチップが10本装着されていること。 | 失格 |
試験終了時はすべての指を伸ばしておくこと。 | 減点 |
装着するチップは、フリーエッジの長さや形を整えておくこと。 | 減点 |
10本の指のサイズにあっているチップを使用すること。 | 減点 |
チップのサンディングは、試験時間内に行うこと。 | 減点 |
ミックスメディアアートのプレスオンチップは、事前に装着しているチップの上に装着すること。 | 減点 |
アームレスト、タオル、ペーパーの上で施術を行うこと。 | 減点 |
トレーニングハンドを直置きしていないこと。 | 失格 |
事前審査
事前審査の採点項目とチェックポイントは以下の通りです。
採点項目 | チェックポイント |
---|---|
テーブルセッティング& 消毒管理 |
|
チップ装着状態 |
|
プレスオンチップの状態 |
|
実技試験
実技試験の採点項目とチェックポイントは以下の通りです。
採点項目 | チェックポイント |
---|---|
スタイリング(スクエア・オフ) |
|
ハイポイントの位置 |
|
フリーエッジの長さ・厚みの均一性 |
|
強度と耐久性 |
|
Cカーブ20%~30% |
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キューティクルラインのスムーズさ |
|
表面の仕上がり・光沢や気泡の状態 |
|
チップの装着状態 |
|
イクステンション |
|
ミックスメディアアート |
|
ネイリスト検定1級の難易度は?勉強時間や合格率は何%?独学は難しいのかを徹底解説
ネイリスト検定1級を取得するメリット

難易度の高いネイリスト検定1級ですが、多くの方が取得を目指すのはメリットがあるからです。今回は、2つのメリットを紹介します。
就職採用率が上がる
ネイリスト検定1級を取得すると、就職採用率が上がる可能性があります。
ネイルサロンの採用条件には、ネイリスト検定2級を求められることが多いため、1級を持っていなくても就職はできます。
とはいえ、難易度の高い1級を持っていたほうが就職に有利です。
たとえば、面接時に2級保持者と1級保持者のどちらか1人に絞らなければいけないとします。
もちろん人柄や実績なども考慮されますが、高い技術を持つ1級保持者が欲しいサロンが多いでしょう。
将来の選択肢が増える
ネイリスト検定1級を取得すると、ネイリストとして将来の選択肢が増えます。
1級を持っていると待遇が良くなるサロンもあるため、年収アップが見込めるかもしれません。独立開業する際にも、1級を持っていることは強みになるでしょう◎
また、JNA認定講師の受験資格に「ネイリスト検定1級に合格し、合格認定日より1年以上経過している」という条件があります。
ネイリスト検定1級を取得しておけば、将来的に講師になる選択肢も見えてきます。
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ネイリスト検定1級の合格率が低い理由
ネイリスト検定1級の合格率は40%前後といわれており、3級2級と比較して低くなっています。
合格率が低い理由は主に以下の3つです。
均一に仕上げるのが難しい
ネイリスト検定1級の技術試験では、制限時間内にすべての施術を終えるだけでなく、均一に仕上げることを求められます。
全体的にカーブの角度、厚み、バランスなどが均一ではないと合格は難しいでしょう。
制限時間内に均一に仕上げるのは難しく、多くの1級受験者が苦労します。
時間配分が致命的なミスに繋がる
ネイリスト検定1級の実技試験では、時間配分が致命的なミスに繋がります。
実技試験では、複数の施術を150分以内に終わらせなければいけません。
時間制限内に仕上げられなかった場合は、即失格となってしまいます。
試験本番は想定外のことが起こりやすい
試験本番は想定外のことが起こりやすいため要注意です。例えば、以下のようなトラブルが考えられます。
- 緊張によりミスが生じる
- 室温の変化でミクスチュアを普段通りに作れなくなる
- トレーニングハンドを使用した施術のため、チップが外れて作り直しになる など
練習では上手くできていたのに、本番で思わぬトラブルに見舞われることは珍しくありません。
本番に何が起きても動じないように、しっかりと練習を重ねておきましょう。
ネイリスト検定1級の合格率を上げるコツ

受験料や就職活動を考えると、できるだけ早くネイリスト検定1級に合格したいですよね。
そこで続いては、ネイリスト検定1級の合格率を上げるコツを紹介します。
時間配分を見直す
ネイリスト検定1級の実技試験は150分間で仕上げる必要があるため、時間配分が重要です。
適した時間配分は人によって変わります。自分の得意・不得意を把握し、不得意な工程には時間を長く配分するのがポイントです。
練習量を増やす
上達を目指すためには、とにかく練習あるのみです。
遅くても試験の3ヶ月前には練習を開始し、長時間やらなくても良いので毎日練習することをおすすめします。
仕事や家事で多忙な方も多いと思いますが、試験直前にはできるだけ多くの練習時間を確保しましょう。
ネイルスクールの検定対策を受講する
ネイルスクールに通い、検定対策コースを受講すると合格率がアップします。
ネイルスクールの検定対策コースとは、検定取得に向けた集中カリキュラムです。
検定のポイントを押さえた授業となっており、一般的なコースで学ぶよりも効率的でしょう。
検定対策コースでは、模擬試験や検定合格保証を用意しているスクールがほとんどです。
検定合格保証があるスクールやコースを選べば、合格するまで無料でサポートしてもらえます。
模擬試験を受ける
試験前には、ネイルスクールが用意している模擬試験を受けることをおすすめします。
模擬試験とは、各検定直前に本番同様に行う試験のことです。模擬試験を受けることで、本番の緊張がやわらぎ、合格に向けて自分に足りない部分も見えてきます。
まとめ
ネイリスト検定1級の合格率は40%前後といわれています。
ネイリスト検定1級の合格率が低い理由は、制限時間内に均一に仕上げるのが難しく、また本番は想定外のことが起こりやすいからです。
ネイリスト検定1級取得を目指すなら、ネイルスクールの検定対策コースを受講することをおすすめします。
ネイルスクールで合格のポイントや基礎を正しく学び、ネイリスト検定1級合格を目指しましょう!