ネイルスクール卒業後の進路は、ネイルサロンへの就職が一般的です。
しかし、ネイリストとして高収入を得られる独立・開業にも憧れますよね。
今回はネイリストとして独立した場合の年収や、開業を成功させるポイントをご紹介します。
独立ネイリストに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
ネイリストがサロンを独立開業したら年収はどのくらい?

独立・開業したら、どれくらい収入を得られるか気になりますよね。
自宅ネイルサロンとテナント経営をした場合の年収についてご紹介します。
自宅ネイルサロンの場合
自宅ネイルサロンの場合、稼げる金額は働く日数や時間によって大きく異なります。
単価を7,000円と仮定して、目安となる年収を見てみましょう。
- 短時間勤務の場合
7,000円×1日1名×月15日=月商10.5万円×12カ月=年商126万円
年商126万円-経費1割(12.6万円)=年収113.4万円
- フルタイム勤務の場合
7,000円×1日3名×月20日=月商42万円×12カ月=年商504万円
年商504万円-経費1割(50.4万円)=年収453.6万円
自宅サロンの場合は賃料が不要なため、経費は年商の1割程度に収まります。
子育てをしながら隙間時間で働いた場合、1年で100万円以上の手取り年収が得られるでしょう。
毎日予約が入る人気ネイリストなら、年収500万円以上も夢ではありません。
特にアートネイルは単価が高まるため、さらなる年収アップが目指せるでしょう。
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テナント経営・サロンオーナーの場合
テナント経営は賃料が高額となるため、従業員を雇うと想定して計算します。
7,000円×1日9名×月25日=月商157.5万円×12カ月=年商1890万円
一見、テナント経営のほうが魅力的ですが、自宅サロン以上に経費がかかるため注意が必要です。
一例として、テナント経営に必要な1か月の経費とオーナーの目安収入をご紹介します。
- 家賃20~30万
- 諸経費20万円(消耗品費、光熱費など)
- スタッフ給与40~60万(2名分)
月商157.5万円-経費80~110万円=オーナー月収47.5~77.5万円
オーナー年収は570~930万円
優秀な経営者なら、年収900万円を狙うことも可能です。
しかし収入が高まる反面、賃料をはじめとする経費計算がシビアになる点や、従業員を雇う責任が伴う点は考慮しなければなりません。
上記の諸経費に追加して、リスク対策として広告宣伝費やスタッフ講習費も検討するとよいでしょう。
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雇われネイリストの年収はいくら?

独立ネイリストと雇われネイリストの年収差はどのくらいあるのでしょうか?
正社員およびアルバイトとして勤務するネイリストの年収をご紹介します。
ネイルサロン勤務の正社員の場合
ネイルサロンで正社員として勤務する場合、平均年収は300~350万円程度です。
- 新入社員の場合
月収18万円×12カ月+ボーナス20万円=年収236万円
- 店長クラスの場合
月収30万円×12カ月+ボーナス40万円=年収400万円
ボーナスの有無や役職手当はサロンによって異なるため、上記はあくまでも一例です。
正社員として高収入を目指すには、役職に就くことを目標にするとよいでしょう。
歩合制サロンで人気ネイリストになれば、高額収入も狙えます。
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ネイルサロン勤務のアルバイトの場合
アルバイト勤務の場合、手取り金額は地域によって大きく異なります。
アルバイトの稼げる金額は限られており、最も時給の高い関東でも年収は200万円に及びません。
しかし、スキルの高いネイリストは時給1300~1500円で雇ってもらえることもあります。
雇用形態で迷った際は、さまざまな求人の条件確認したうえで、比較検討をすることが大切です。
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雇われ店長と独立経営者ではどっちが稼げる?
上記でも説明したように、自宅サロンを経営した場合に稼げる年収の目安は453.6万円です。
一方、正社員で働くネイルサロン店長の年収は350〜400万円程度です。
正社員の収入はボーナスの有無によっても大きく変わります。ネイルサロンを開業してオーナーになった方が高収入も狙えるでしょう。
ネイリストが独立開業で失敗しないためには?

独立は高収入を目指せる働き方ですが、失敗すると十分な所得を得られない可能性もあります。
開業前は「サロン調査」「サロンコンセプト」「集客」3つのポイントをおさえましょう。
近隣の競合サロンをリサーチする
独立開業を成功させるためには、まず近隣サロンについて調べることが大切です。
- コンセプト
- ターゲット層
- お店の強み
- 料金・メニュー
- その他サービス内容
- SNSの投稿
「価格帯」「コンセプト」の似ている店舗が近隣にある場合、お客様は既に実績のある店舗を選ぶでしょう。
新たにサロンを出店する際は、自店ならではの強みをアピールする必要があります。
近隣サロンと差別化を図るため、Web調査や店舗に足を運んで確認するなど徹底したリサーチを行うとよいでしょう。
サロンコンセプトを明確にする
他店との差別化を図るためにも、サロンコンセプトは具体的に決めておきましょう。
コンセプト決定までの流れは、以下のとおりです。
- お客様のターゲット層を決める
(例:20~30代の女性) - ターゲット層の悩み・ネイルサロンに求めるものを考える
(例①:安価にアートを楽しみたい)
(例②:仕事帰りに立ち寄りたい) - ターゲット層が満足してもらえるサービスを考える
(例①:安価なネイルし放題メニュー、定額アートに凝る)
(例②:閉店時間を遅く設定する) - コンセプト決定!
コンセプトを早い段階で決めておくと、内装や外装にイメージ反映が可能です。
お客様が過ごしやすいお店づくりは、顧客獲得にもつながるでしょう。
営業を開始する際は、SNSや予約サイト等で自店の強みとして打ち出してください。
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集客方法を検討する
ネイルサロンを円滑に運営するためには、安定した顧客獲得が重要です。
顧客ゼロの状態から営業を始める場合は、さまざまな集客方法を併用して新規顧客獲得を目指しましょう。
- Instagramの画像投稿
- 予約サイトへの掲載
- X(Twitter)・Threadsに紹介文や画像を掲載
- Googleビジネスプロフィールの活用
- 看板の作成・設置
- 友人・知人への宣伝
- チラシ作成・配布
- YouTubeの投稿
- ブログ運営
- LINE公式アカウントの開設
若い世代に向けたアプローチは、SNSの活用が必須です。
InstagramやWebサイトを通して、顧客の目に留まる回数を増やしましょう。
ただし、地方で営業する際やターゲット層が高齢な場合は、友人・知人を通した口コミやチラシでの集客方法も有効です。
コンセプトを明確化したうえで、自店にとって効率の良い集客方法を組み合わせてください。
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ネイルサロン開業にかかる費用はいくら?

ネイルサロンの開業は、月々の経費以外に初期費用も必要です。
以下を参考にして、必要な金額を計算してみましょう。
家賃
ネイルサロンにかかる家賃は、経営場所によって異なります
場所 | 相場価格 |
自宅サロン | 0円~ |
マンションの一室 | 7~10万円 |
テナント経営 | 20~30万円 |
テナント経営の場合は、契約時に保証金として6~12か月分の賃料を支払います。
月々の賃料が高額なだけでなく、莫大な初期費用が必要な点は考慮しなければなりません。
初期費用をおさえて経営したい方は、自宅やマンションの一室での運営を検討するとよいでしょう。
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内装工事費・インテリア・備品
内装工事費の目安費用は、30~1,000万円と大きく価格差があります。
自宅サロンであれば30万円以下に抑えることも可能ですが、新規テナントを借りる場合は設備工事費が必要です。
1から店舗を作る場合は500万円以上の費用がかかるでしょう。
少しでも初期費用を抑えたい方は、居抜き物件の検討がおすすめです。
光熱費
ネイルサロンの光熱費は、一般的に売り上げの1~5%が相場価格といわれています。
- 月商50万円の場合…0.5~2.5万円
- 月商150万円の場合…1.5~7.5万円
電気代・ガス代・水道代をはじめ、電話代やインターネット代もかかるでしょう。
少しでも光熱費を抑えるためには、安価な電力会社への切り替えやエアコンの設定温度の調整を検討してください。
広告宣伝費
広告宣伝費は、サロンの規模や宣伝方法によって異なります。
明確な料金メニューはないため、利用を検討する際は直接問い合わせが必要です。
なお、Instagramでは有料広告を使用せず、スポット登録やハッシュタグを活用して無料で宣伝する手段もあります。
広告宣伝費をおさえたい場合は、SNSを上手に運用しましょう。
ネイリスト独立開業|準備するもの

独立・開業前には開業届とSNSアカウントを準備しておきましょう。
それぞれのポイントを解説します。
開業届
個人事業主として独立する場合、開業届の作成・提出が求められます。
開業から1か月以内に、管轄の税務署へ届け出を提出しましょう。
インターネットから手続きできるため、直接税務署に出向く必要はありません。
参照:国税庁
SNSアカウントの開設
サロンの運営前に、SNSアカウントを複数開設しておきましょう。
- X(Twitter)・Threads
- LINE
- YouTube
ネイルデザインの発信・集客のためにも、Instagramの登録は必須です。
公式LINEアカウントは予約が取れるように設定すると、リピーターの獲得にも繋がります。
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独立サポートがあるネイルスクール3選

これから資格取得を目指すなら、独立サポートが充実した学校を選択しましょう。
3つのおすすめネイルスクールをご紹介します。
ネイルスクールシンシア

東京新宿のネイルスクール シンシアは、開業・独立サポートが充実したネイルスクールです。
受講生が独立した実績も数多く、サロン経営を目標とする方は第一候補として検討するとよいでしょう。
通信講座でも独立サポートが受けられるため、居住地を問わず学習できます。
知識のないネイル初心者でも独立を目指せるカリキュラムを提供しているため、1からネイルを学びたい方に最適です。
おすすめコース | ホームサロン開業コース |
---|---|
料金 | 200,200円(税込) |
独立サポート | 集客方法のセミナーが充実 開業後も面談 無料セミナーの受講が可能 |
ヒューマンアカデミー

ヒューマンアカデミーは、全国各地に校舎を構える大手ネイルスクールです。
これからネイリスト資格を取得する方は、コースを問わず利用できる無料セミナーで開業サポートを受けるとよいでしょう。
2024年度からはネイリスト技能検定3級以上を取得した方に向けて、開業に特化したオンライン講座が開講されます。
既にネイリスト資格を有している方は、以下の講座も検討してください。
おすすめコース | 新ネイルサロン開業講座(2024年1月開講予定) |
---|---|
料金 | 一般:69,300円(税込)/受講生・修了生:59,400円(税込) 一般参加者は別途入学金11,000円(税込)が必要 |
独立サポート | 受講生・修了生は無料セミナーに参加可能 |
アフロートネイルスクール

アフロートネイルスクールは、目的に応じてさまざまなコースが選択できます。
ホームサロン開業サポートが付帯したコースは限られますが、はじめから開業を目標とする方は開業スタートコースを選ぶと良いでしょう。
料金は地域・割引によって変動するため、自分が通いやすい校舎の料金を確認してください。
おすすめコース | ネイルサロン開業スタートコース |
---|---|
料金 | 247,300円(税込) ※地域によって変動あり |
独立サポート | 競合サロンの分析方法や集客のコツを学べる 接客指導もあり |
ネイリストの独立・年収に関するよくある質問

ネイリストの独立・年収に関するよくある質問にお答えします。
ネイリストの独立開業は儲かる?
独立して儲かるか否かは、ネイリストの経営力と技術力次第です。
働き方 | 年収(相場) |
雇われネイリスト(新人・正社員) | 約236万円 |
雇われネイリスト(店長・正社員) | 約400万円 |
自宅サロン経営 | 約454万円 |
テナント経営 | 約570~930万円 |
店長までの下積み期間は短くても3年ほどの期間を要しますが、自宅サロンは経営次第で高収入を目指すことも可能です。
安定的な売り上げを見込めるネイルサロンを経営できれば、雇われネイリストよりも圧倒的に稼げるでしょう。
ネイリストが独立するまで何年かかる?
開業までの期間は、一般的に3~5年程度必要と言われています。
しかし、適切なサポートを受けていればネイルスクール卒業後すぐに独立も可能です。
以下のメリット・デメリットを参考に、独立時期をイメージしてみましょう。
新人で独立・開業 | 3~5年後に独立・開業 | |
メリット |
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デメリット |
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店舗経営者になりたい方は、サロンワークに慣れるため下積み期間を設けるのがおすすめです。
プライベートサロンのような小規模経営を想定している方は、早い段階で独立を目指しても良いでしょう。
いずれの場合も、開業を目指す際は独立サポートが手厚いネイルスクールに通うことが大切です。
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ネイリストの独立で年収1,000万円は可能?
独立・開業したネイリストが年収1000万円を目指すことは可能です。
- 従業員を雇って経営する
- 人気ネイリストを目指す
- 安定的に顧客を得る
- 経費を節約する
とはいえ、知名度の高い人気ネイリストにならない限り、自分1人で年収1000万円を目指すことは難しいでしょう。
ネイリストで年収1000万円を目指すなら、従業員を雇ったテナント経営がおすすめです。
集客方法や経費削減に工夫を凝らし、賢い経営者になることが高額収入を狙うポイントになります。
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年収アップに近づくネイリストの独立!

ネイリストの独立は、経営力と技術力を身に着ければ年収アップに繋がります。
働き方の自由度も高まるため、子育てや家事で忙しい人にもおすすめです。
「自分にもできるのか不安」と感じている方も、サポートの充実したスクールを選択すれば無理なく独立が目指せます。
この記事でご紹介したスクールを参考に、受講を検討してはいかがでしょうか?
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