「ネイリストは座ったまま仕事ができて羨ましい」と思われがちですが、実は体力勝負のハードな職業です。
座り作業が続くため腰痛や頭痛など、慢性的な痛みが出てきてしまう人も多いです。
また、その他にも薬剤やジェルネイルのダストによるアレルギー・喘息のリスクもあります。
ネイリストが「早死」「肺がんになる」などと心配される理由はそこからきているのでしょう。
しかし、ネイリストになったからといって全ての人が病気になるわけではありません。
本記事では、ネイリストの身に降りかかる病気と回避策・ジェルネイルは体に悪いのかについて解説します。
ネイリストが病気にならないための対処法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ネイリストがなりやすい病気7選

ネイリストがなりやすい病気7つをピックアップし、それぞれの症状・要因・回避策を解説します。
腱鞘炎
腱鞘炎とは、骨と筋肉をつなぐ「腱」と腱を包む「腱鞘」に摩擦が生じる病気です。
手指の使い過ぎで起こる病気なので、手元を細かく動かすネイリストには切っても切れない病気といえるでしょう。
腱鞘炎を発症すると、指の付け根部分に痛みや腫れを生じます。
症状が進行すると細かい作業が困難となり、最悪の場合はネイリストとして働けなくなる可能性もあります。
腱鞘炎にならないために、日頃から手指のセルフケアを行いましょう。
施術後に「指ほぐし」や「指のストレッチ」が効果的で、市販のサポーターを活用するのも1つの手段です。
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肩こり
同じ姿勢で長時間施術を行うネイリストは、肩こりの症状に悩まされているケースも少なくありません。
首や背中が緊張するような姿勢を続けると、血流が悪くなり肩こりのリスクが上がります。
他にも寝不足やストレス、運動不足などが肩こりの原因となるケースもあります。
ハードなサロンワークに加え、営業終了後も練習やサンプル作りを行っていると、家に帰って食事をして寝るだけの生活になりがちです。
通勤以外の運動をしない方も多く、ネイリストは肩こりになる要因が揃っています。
肩こりの回避策は、日頃からストレッチや軽めの運動を取り入れることです。
また、入浴はシャワーのみで済ませず、ゆったりと湯船に浸かることを心がけましょう。
血行を改善する入浴剤の使用もおすすめです。
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腰痛・ヘルニア
長時間座ったまま施術を行うネイリストは、腰痛・ヘルニアのリスクも抱えています。
腰痛がひどく治らない場合は、ヘルニアの可能性があるため注意しましょう。
ヘルニアは、臓器が本来あるべき場所から突出する病気です。
ヘルニアにはさまざまな種類がありますが、ネイリストが発症しやすいのは「頚椎腰椎椎間板ヘルニア」となります。
頚椎腰椎椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、手足の痛みやしびれが生じることがあり、ネイリストの業務をこなすのが難しくなる可能性もあります。
ヘルニアの治療法は「保存的療法による治療」「薬による治療」「手術」の3つです。
まずは施術中に前屈みにならないよう意識することや、体圧分散ができるクッションを使用するなど日常的な動作から改善していきましょう。
ジェル・アクリル・ダストアレルギー
ネイリストが発症しやすいアレルギーは以下の3つです。
- ジェルアレルギー
- アクリルアレルギー
- ダストアレルギー
これらのアレルギーを発症すると、赤み、かゆみ、湿疹、ただれなどの症状が現れます。
アレルギーはある日突然発症するケースもあるため、アレルギー体質ではない方も他人事ではありません。
施術の度にひどい症状が出ると仕事を続けていくことが困難となり、アレルギーが原因で退職するネイリストも少なくありません。
アレルギーは体質の問題なので発症を防ぐ方法はありませんが、アレルギーを起こしにくいジェルを使用する、施術時にマスクを着用するなどの対策が有効です。
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喘息・慢性閉塞性肺疾患
ネイリストはネイルダストを吸い込むことで、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症するリスクがあります。
ダストとはネイルを削った際に発生する粉末を指します。
喘息の主な症状は、呼吸困難を伴う咳や息苦しさです。
COPDは、かつて「慢性気管支炎」や「肺気腫」と呼ばれてきた病気を1つにまとめた名称で、咳や息切れなどが主な症状となります。
COPDは肺の病気ですが、虚血性心疾患、糖尿病、肺がんなどの発症リスクを上げることで知られています。
喘息やCOPDの回避するためにも、施術中は必ずマスクの着用を心がけましょう。
うつ病
日々の激務に加え、人間関係のトラブルからうつ病を発症するネイリストもいます。
ネイルサロンに勤務するスタッフは大半が女性です。
スタッフ全員が仲の良いサロンもありますが、スタッフ同士がライバルのように競い合っているネイルサロンも存在します。
うつ病の症状は「気分の落ち込み」「やる気が出ない」など精神的な症状がメインです。
疲労感や寝不足などの身体的な症状が出るケースもあるので注意しましょう。
うつ病の回避策は、規則正しい生活習慣を意識し、ストレスを上手に発散することです。
適応障害
適応障害とは、ストレスに対応できず、日常生活を送れないほどの精神的・身体的症状が現れる病気を指します。
適応障害の主な症状は以下の通りです。
- 気分の落ち込み
- 不安感
- 感情の高ぶり
- 集中力の低下
- 情緒不安定
- 遅刻や無断欠勤 など
適応障害とうつ病の大きな違いは、ストレスの元を取りのぞいても症状が継続するかどうかです。
うつ病はストレスの元を取りのぞいても症状が継続することが多い一方で、適応障害は環境を変えると症状が劇的に改善します。
適応障害の回避策はうつ病とほぼ同様ですが、周囲に無理に合わせずに「自分自身を大切にすること」が重要です。
症状が深刻な場合は、ネイリストの休職や退職も視野に入れましょう。
ネイリストが病気にならないための対処法

予防しても病気になることはありますが、確率を少しでも下げたいものです。
ネイリストが病気にならないための対処法を6つ紹介します。
適度な運動・ストレッチ
適度な運動やストレッチは、肩こりや腰痛の予防につながります。
ネイリストの仕事は1日中座りっぱなしなので、通勤時を除くと運動するチャンスがほとんどありません。
階段を使う、土日はランニングするなど意識的に体を動かすことをおすすめします。
さらに、入浴後や就寝前に軽めの運動として、ストレッチを習慣的に行うのもよいでしょう。
入浴で血流を促す
入浴はシャワーで済ませず、できるだけ湯船に浸かって血行を促しましょう。
血流の悪さは、肩こりや腰痛につながります。
1日の終わりの入浴時間で心を落ち着かせるとストレスが軽減されます。
うつ病や適応障害の対策としても効果的でしょう。
安全性が認められているネイル商材を使用する
アレルギーの発症を防ぐために、安全性が認められているネイル商材を使用するとよいでしょう。
化粧品登録されているジェルは、一定の基準を満たした安全な商品です。
成分分析試験証明書のついたジェルなら、より安心して使用できます。
安全性の高い商品を使ってもアレルギー症状が出ることもありますが、雑貨として販売されている商品と比較すると発症リスクが低いでしょう。
集塵機を導入する
ダストアレルギーや喘息・COPDを予防したい場合は、集塵機を導入することをおすすめします。
集塵機とは、爪やジェルを削ったときに出るネイルダストを吸い取るアイテムです。
換気扇のような仕組みとなっており、「ネイルダストコレクター」と呼ばれることもあります。
ジェルオフやスカルプ施術に際は集塵機を取り入れ、空気中にダストが舞わないような環境作りと整えましょう。
室内の換気を徹底する
ネイルサロンは、定期的な室内換気が重要です。
室内を換気することで、ダストアレルギーや喘息・COPDを予防できるだけでなく、同時に感染症の予防もできます。
また、ネイルサロンは対面施術のため、利用客とネイリストの距離が近く感染症のリスクがあります。
お客様に安心して利用してもらうためにも、室内の換気を徹底してください。
メンタルに支障がある場合はすぐに休職する
メンタルに支障がある場合は、すぐに休職することをおすすめします。
うつ病や適応障害は決して甘えではありません。
仕事を続けることで症状が悪化する恐れもあるため、できるだけ早く休職願いを提出しましょう。
無理せず働くには自宅サロン開業がおすすめ

無理せず働くには自宅サロン開業がおすすめです。
自宅サロン開業をおすすめする理由を3つ紹介します。
休憩時間・休日が自由に取れる
自宅サロンは営業時間を自分で決められるため、柔軟な働き方が可能です。
休憩や休日をしっかりと確保することで長時間勤務を回避でき、肩こりや腰痛などの発症リスクを抑えられます。
すでに病気を患っている方も、自宅サロンであれば無理のない範囲で働けるでしょう。
自宅ネイルサロンの収入って?開業資金と収入を上げる5つの秘訣
1日の施術人数を限定できる
1日の施術人数を限定できるのも自宅サロンの魅力です。
サロン勤務では1日に何人もの施術を担当するため、心身ともに負担が大きいでしょう。
自宅サロンなら「1日3名まで」「午前と午後に各1名ずつ」など施術人数を限定でき、体を酷使することがありません。
サロンワークとは?ネイリストの業務内容と意識すべき大切なこと
職場の人間関係によるストレスから解放される
自宅サロンを開くと、職場の人間関係によるストレスから解放されます。
うつ病や適応障害は、人間関係のストレスが元になっていることが大半です。
ストレスから解放されると、適応障害は改善しやすいため、思い切って独立を検討するのもよいでしょう。
開業サポートがあるネイルスクール3選

快適な環境を求めて自宅サロン開業を目指すためには、ネイルスクールへ通って基礎を正しく学びましょう。
開業サポートに特化したネイルスクールを3校紹介します。
ネイルスクールシンシア

東京新宿のネイルスクール シンシアは、初心者から独立・開業を目指せるネイルスクールです。
業界トップレベルの講師陣が多数在籍しており、独立・開業に向けてきめ細かいサポートが受けられます。
集客方法についてのセミナーも開催やサロンワークに必要なテクニックを学べる短期集中コースもあり、仕事や育児で忙しい方にもおすすめです。
アフロートネイルスクール

アフロートネイルスクールは、サロン運営も手がけるネイルスクールです。
独自の開業ノウハウが知れるため、独立・開業を考えている方の強い味方となってくれるでしょう。
ホームサロン開業向けのコースを3種類用意しており、実力や求めるスキルに合わせて選択可能です。
ヒューマンアカデミー

ヒューマンアカデミーは、200名以上の認定講師が在籍する国内最大級のネイルスクールです。
開業サポートに力を入れており、ネイル商材購入やサロン設計などオープンまでの過程をバックアップしてくれます。
さらに、人気サロンに成長するためのサポートも行なっているため、独立・開業を成功させたい方に最適なネイルスクールといえるでしょう◎
予期せぬ病気に備えたネイリストライフを計画しよう
ネイリストはあらゆる病気と隣り合わせの職業です。
今回紹介した対処法で予防はできますが、病気になる可能性はゼロではありません。
体力や精神に極力負担をかけずに働きたい方は、自宅ネイルサロン開業を検討するのもおすすめです。
開業サポートが充実しているネイルスクールに通って、自宅ネイルサロン開業を目指してみてはいかがでしょうか?
他にも、自宅ネイルサロンや開業に関する記事を多数掲載しています。
興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。
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