ネイリストには美容師のような国家資格はなく、無資格でもネイリストとして働くことはできます。
しかし、資格を持っていたほうが就職に有利なため、最低限の資格は取得しておくほうが望ましいです。
ネイルには国家資格がない代わりに、民間の検定試験がいくつか存在します。
「たくさんありすぎて、どれを取得して良いのか分からない…」という方も多いのでは?
そこで今回は、各ネイリスト検定の種類と詳細を解説します。
気になる受験料や合格率、標準学習時間などをご紹介します◎
ネイリスト検定の種類

ネイルに関する検定はすべて民間資格です。具体的には以下のような検定があります。
- JNECネイリスト技能検定試験
- JNAジェルネイル技能検定試験
- ネイルサロン衛生管理士
- JNAフットケア理論検定試験
- JNA認定講師資格試験
- ネイルサロン技術管理者
- ネイルスペシャリスト技能検定試験
ネイリスト検定の中で特に有名なのは、「JNECネイリスト技能検定試験」と「JNAジェルネイル技能検定試験」の2つ。
プロネイリストを目指すなら、「JNECネイリスト技能検定試験2級」「JNAジェルネイル技能検定試験中級」以上を取得しておくことをおすすめします。
資格がなくてもネイリストとして働けますが、上記の資格を持っているとネイリストに必要な技術・知識を持っている証となります!
目指す働き方やレベルによって、上位の級や他の資格を取得しておいたほうが良い場合も◎では、各検定の詳細を詳しく見ていきましょう。
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JNECネイリスト技能検定試験

JNECネイリスト技能検定試験は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催する検定です。
1997年にスタートしていて、ネイリスト検定の中では最も歴史があります。
3級・2級・1級の3段階に分かれていて、3級から順番に受けていく必要があります。
飛び級はできないためご注意ください。
JNECネイリスト技能検定3級
難易度 | ★ |
技術内容 | ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術及び知識 |
実施時期 | 年4回(例年1・4・7・10月) |
受験料 | 6,800円(税込) |
合格率 | 84.98% ※2023年秋期 |
標準学習期間 | 3か月 |
JNECネイリスト技能検定試験3級の合格率は84.98%と高く、趣味の延長でも目指しやすいネイル資格です◎
実技試験では、ネイルケア・ポリッシュカラーリング・アート(お花)の技術を施します。
筆記試験では、ネイルの構造と働きや消毒管理などネイリストとして安全に施術を行うための基礎知識が問われます。
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JNECネイリスト技能検定試験2級
難易度 | ★★★ |
技術内容 | サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術及び知識 |
実施時期 | 年4回(例年1・4・7・10月) |
受験料 | 9,800円(税込) |
合格率 | 43.04% ※2023年秋期 |
標準学習期間 | 6か月 |
JNECネイリスト技能検定試験2級の実技試験の、合格率は43.04%でJNECネイリスト技能検定試験3級と比較すると大幅に下がります。
必要な技術レベルは、サロンワークで通用するレベルです。
実技内容は、リペア・チップ&ラップとプロフェッショナリズムが追加されています。
アートのデザインも細かくなっています。
筆記試験では、JNECネイリスト技能検定試験3級の内容にネイルの歴史やネイルケアの手順などが追加されています。
筆記試験の内容は、それほど難しいものではありません。
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JNECネイリスト技能検定試験1級
難易度 | ★★★★★ |
技術内容 | トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術及び知識 |
実施時期 | 年2回(例年4・10月) |
受験料 | 12,500円(税込) |
合格率 | 39.22% ※2023年秋期 |
標準学習期間 | 1年 |
JNECネイリスト技能検定試験1級は、ネイリスト検定の中で最も難易度が高く、合格率は39.22%と低めです。
合格すればトップレベルのネイリストである証となります!
実技試験の内容は、ネイルイクステンション(スカルプチュア・チップオーバーレイ・ミックスメディアアート)とネイルアートに重点を置いています。
筆記試験では、これまでの内容に加えて化粧品学やイクステンションの手順などが追加されます。
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JNAジェルネイル技能検定試験

JNAジェルネイル技能検定試験は、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催する検定です。
健全なジェルネイルの普及を目的に行っています。
初級・中級・上級の3段階に分かれており、JNAジェルネイル技能検定試験初級から順番に受けていく必要があります。
こちらの検定に関しても飛び級はできません。
JNAジェルネイル技能検定試験初級
難易度 | ★ |
技術内容 | ネイルケアのベーシックマスターとジェルネイルを施術するために必要な基礎的知識と技術の修得 |
実施時期 | 年2回(例年6・12月)、JNA認定校での不定期開催 |
受験料 | 9,900円(税込) |
合格率 | 約70% |
標準学習期間 | 3か月 |
JNAジェルネイル技能検定試験初級に必要な技術レベルは、ネイルケアとジェルネイルを施術するための基礎的知識・技術です。
合格率は70%前後となっています。
実技試験では、テーブルセッティングなどの事前審査、第1課題のネイルケア(両手10本)、第2課題のジェルとポリッシュ(マニキュア)のカラーリング(両手10本)、ピーコックアートを施します。
筆記試験は30分間のマークシートで、ネイルに関する基礎知識や爪の病気とトラブルなどが出題されます。
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JNAジェルネイル技能検定試験中級
難易度 | ★★★ |
技術内容 | ネイルケアとジェルネイルを施術するためにプロとしてサロンワークに必要な専門的知識と技術の修得 |
実施時期 | 年2回(例年6・12月)、JNA認定校での不定期開催 |
受験料 | 13,200円(税込) |
合格率 | 約60% |
標準学習期間 | 6か月 |
JNAジェルネイル技能検定試験中級に必要な技術レベルは、プロネイリストとしてサロンワークに必要な知識・技術です。
合格率は約60%となっています。
実技試験では、テーブルセッティングなどの事前審査、第1課題のネイルケア・カラーリング(左手5本)、そして第2課題ではジェルグラデーション(中指以外の右手4本)やジェルフレンチカラーリング(左手5本)、ジェルイクステンション(右手中指)をチェックします。
筆記試験は初級と同じく30分間のマークシートで、プロフェッショナリズムやその他実践的施術全般などの内容が加わります。
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JNAジェルネイル技能検定試験上級
難易度 | ★★★★★ |
技術内容 | ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識と技術の修得 |
実施時期 | 年2回(例年6・12月)、JNA認定校での不定期開催 |
受験料 | 16,500円(税込) |
合格率 | 約45% |
標準学習期間 | 1年 |
JNAジェルネイル技能検定試験上級に必要な技術レベルは、ジェルネイルのスペシャリストとして必要な知識・技術です。
合格率は約45%と低いため、取得しているとネイリストの中でもスペシャリストといえます◎
実技試験では、10分間の事前審査の後、手指消毒から始めて指定された5本の指にイクステンション(チップオーバーレイ含む)を施しその内2本にはフレンチカラーリングとフラワーアートを施します。
実技試験は85分間で、JNAジェルネイル技能検定試験上級に筆記試験はありません。
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ネイルサロン衛生管理士

難易度 | ★ |
技術内容 | 「ネイルサロンにおける衛生管理 |
実施時期 | 毎月 |
受験料 | 一般価格:11,000円(税込)
JNA会員価格:6,600円(税込) |
合格率 | 非公開 |
標準学習期間 | ー |
ネイルサロン衛生管理士は、ネイルサロンの衛生管理に関する知識を習得できるネイル検定です。
NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催しています。
独立開業を検討している方におすすめの資格で、サロン就職を考えている方も取得しておくと就職に有利となることがあります。
JNA認定校で約180分間の講習会を受講し、その後行われる確記テストに合格すれば認定証・バッジを授与されます。
合格率は公表されていませんが、不合格となっても補習を受けられるため、最終的にはほぼ100%の合格率と考えて良いでしょう◎
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JNAフットケア理論検定試験

難易度 | ★★ |
技術内容 | ネイリストが、プロとしてサロンワークでフットケアを施術するために必要な理論 |
実施時期 | 毎月 |
受験料 | 一般価格:8,800円(税込)
JNA会員価格:6,600円(税込) テキスト代:3,300円(税込) |
合格率 | 非公開 |
標準学習期間 | ー |
JNAフットケア理論検定試験は、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催する検定で、ネイリストがサロンワークでフットケアを施術するために必要な理論を問われます。
ネイリストはハンドだけでなくフットを施術することもあるため、ネイルサロンの就職や開業を目指している方は取得しておくと強みになります!
120分間のセミナーを受講した後、マークシート形式の筆記試験に合格すると合格証書(ディプロマ)が発行されます。
合格率は非公開です。
JNA認定講師資格試験

難易度 | ★★★★★ |
技術内容 | 日本ネイリスト協会の講師会のメンバーとして高い志を持ちネイルの普及と発展に努める |
実施時期 | 年2回(3・9月)※開催年によって変更あり |
受験料 | 26,400円(税込) |
合格率 | 約20〜30% |
標準学習期間 | 1年以上 |
ネイルスクールの講師として働きたい方は、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催するJNA認定講師資格試験を取得するのがおすすめです。
1次試験と2次試験の2日間に渡り、実技試験・筆記試験・グループ面接を行います。
合格率は約20〜30%と低く、ネイル関連の資格の中で最難関といえそうです。
JNA認定講師資格試験の受験資格は、以下のように細かく定められています。
- JNECネイリスト技能検定試験1級に合格して1年以上経過
- JNA認定校の卒業生である
- プロネイリストとして実務経験がある
- 過去3年の間にJNA主催の全日本ネイリスト選手権のプロフェッショナル部門の種目に出場している など
受験資格を得るだけでハードルが高いですが、将来ネイルスクールやネイルサロンで講師を目指す方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
JNA認定講師とは?資格取得メリットと試験対策に役立つおすすめネイルスクールを紹介!
ネイルサロン技術管理者

難易度 | ★ |
技術内容 | ネイルサロンにおけるスタッフの技術管理についての考え方と技術管理の実務、および材料学 |
実施時期 | 要確認 |
受験料 | 非会員:15,400円(税込) |
合格率 | 非公開 |
標準学習期間 | ー |
ネイルサロン経営者を目指すなら、ネイルサロン技術管理者を取得しておくのもよいでしょう。
ネイルサロン技術管理者は、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が実施する講習会を受講すると習得できる資格です。
加えてJNAジェルネイル技能検定試験中級を取得すると、JNA認定ネイルサロンの技術管理者として登録することができます◎
「3年以上の実務経験」や「JNECネイリスト技能検定試験2級を取得済み」などいくつかの受験資格があるため、NPO法人 日本ネイリスト協会の公式サイトで確認しておきましょう。
ネイルスペシャリスト技能検定試験

難易度 | 級によって異なる |
技術内容 | ネイル技術を行うために必要な消毒衛生、爪や皮膚を含む人体のしくみと病気、技術テクニックに関わる知識 |
実施時期 | 年3回(2・6・10月) |
受験料 | A級:11,000円(税込) SA級:13,300円(税込) PA/AA/AAA級:16,500円(税込) |
合格率 | 非公開 |
標準学習期間 | ー |
ネイルスペシャリスト技能検定試験は、NPO法人 インターナショナルネイルアソシエーションが主催するネイリスト検定です。
サロンワークに役立つ技能検定で、学生や初心者を対象としたA級/SA級、プロルを対象としたPA/AA/AAA級の2つを用意。
JNECネイリスト技能検定試験と似た検定ですが、より国際水準を意識した内容となっています。
取得できた点数により取得級が変わるため飛び級が可能です。また、JNECネイリスト技能検定試験と比較すると合格率が低い(INAのPA/AA/AAA級は10~20%)といわれています。
同法人が主催する検定には「ジェルネイル技能検定試験」もあり、こちらはJNAジェルネイル技能検定試験と似た検定です。
まずはJNECネイリスト検定2級&JNAジェルネイル検定中級の取得を目指そう!

今回は、各ネイリスト検定の詳細を解説しました。
たくさんありすぎて混乱してしまった方もいるかもしれません。
ネイリストを目指すなら、「JNECネイリスト技能検定試験2級」「JNAジェルネイル技能検定試験中級」以上を取得しておくのが望ましいです。
サロン就職・独立開業・講師・サロン経営者など、目標によって必要な資格は異なります。
まずは上記2つのネイリスト資格を取得して、必要であれば他の検定にも挑戦してみてはいかがでしょうか◎