ネイリストにはさまざまな働き方があり、独立開業も選択肢のひとつです。
「従業員を雇わずに1人でネイルサロンを開業したい」と考えているネイリストも少なくありません。
そこで本記事では、1人でネイルサロンを開業する手順や注意点を解説します。
1人でネイルサロンを開業したいあなたは、ぜひ参考にしてください◎
自宅ネイルサロンの開業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ネイルサロンを1人で開業!まずはイメージしてみる

「1人でネイルサロンを開業する」といわれても、あまりピンとこない方もいるのではないでしょうか。
まずは開業後の経営をイメージしてみましょう。
1人で業務を回せる?業務効率化を考えているか
1人でネイルサロンを開業する場合、自分1人で業務を回せるかは重要なポイントです。
ネイルサロンの運営では、施術以外にもさまざまな業務が発生します。
自分1人ですべての業務を回すためには、業務効率化を考える必要があります。
- 業務効率化ツールを導入する
- デザインを選択制にする
- お客様ごとのカルテを作成する
例えば、業務効率化ツールの活用すると、24時間のネット予約や売上管理などの機能を利用できます。
施術時間を節約するために、あらかじめ複数のデザインを用意しておき、そこからお客様に選択してもらうのもおすすめです。
1人でトラブル対処できる?対策は万全か
お客様との間にトラブルが発生した場合、自分1人で対処できるかも考慮しなくてはいけません。
1人でネイルサロンを開業する際は、トラブル対応のマニュアルを作成することを推奨します。
万が一トラブルが発生した際に、マニュアルに沿って円滑に解決できるためです。
施術同意書を作成し、お客様にサインしてもらうのもおすすめです。
ネイルサロン開業で失敗する7つの理由と経営成功に導く秘策ポイント
ネイルサロンを1人で開業!具体的に準備を始める

ネイルサロンを開業するにあたって、具体的に何から始めるべきか悩んでいませんか。
ここでは、ネイルサロンを1人で開業する手順を解説します。
開業資金・運用資金
開業の約1年前を目安に、開業資金・運用資金の準備を始めます。
開業資金・運用資金の内訳は以下のとおりです。
ネイルサロンの開業資金は、30~100万円程度が目安です。
さらに、ネイルサロンを経営するために毎月運用費がかかります。
必要な開業資金・運用資金は、サロンの形態によって大きく異なります。
自宅ネイルサロンでは敷金・礼金・賃料などがかからないため、費用を大幅に節約できるでしょう。
物件選び
開業の約半年前を目安に、物件選びを開始します。
自宅の一画を利用してネイルサロンを開業する場合、物件探しは必要はありません。
自宅をネイルサロンとして利用できない場合や、立地のよい場所に出店した場合は物件探しが必要です。
物件選びの際には、間取りやアクセスのよさなどを考慮しましょう。
届出書類の提出
内装工事や備品購入が完了したら、次に届け出書類を提出します。
実は、ネイルサロン開業にあたって届出義務はありません。
ただし、開業すると個人事業主となるため、所轄の税務署に「開業届」を提出することを推奨します。
税務署に開業届を提出することで、青色申告が可能となり、最大65万円の控除が適用されます。
開業届は事業開始から原則として1か月以内に提出する必要があるため、忘れないように注意しましょう。
集客(宣伝)
開業準備がある程度整ったら、集客(宣伝)を開始します。
ネイルサロンの売上は「客単価×来客数」で決まるため、経営を安定させるためにはリピーターを増やす必要があります。
開店からしばらくは新規顧客をつけることが重要です。
ホームページ、SNS、近隣住民へのポスティング、ホットペッパーなどで宣伝活動を行いましょう。
ネイルサロン経営にはいくら必要?開業までの準備とオーナーの成功のコツ
ネイルサロンを1人で開業するリスク

ネイルサロンを1人で開業することに不安を感じていませんか。
ネイルサロンを1人で開業する主なリスクを3つ紹介するため、ぜひ参考にしてください。
業務はすべて自分1人で行わなくてはならない
従業員を雇わない場合は、サロン経営に関わる業務をすべて自分1人で行います。
- 施術
- 電話対応
- 集客対策
- ホームページやSNSの更新
- 清掃
- 商材の仕入れ
- 売上管理
- 確定申告などの手続き など
これらの業務をすべて1人でこなすのは容易なことではありません。
サロン勤務時代と比較すると、自身が行う業務が何倍にも増える可能性があります。
働かないと収入ゼロ
ネイルサロンを開業する場合、働かないと当然収入はゼロになります。
病気、妊娠・出産、家族の事情などで、ある日突然働けなくなるリスクは誰にでもあります。
従業員を雇っている場合は、緊急時に代理店長を立てることで営業を継続できるかもしれません。
しかし、1人の場合は代理店長を立てられず、休業や閉店を検討しなくてはいけないケースもあるでしょう。
助成金・融資・ローンの審査が厳しい
ネイルサロンを1人で開業すると、助成金・融資・ローンの審査が厳しい現実があります。
開業資金・運用資金を準備するために、助成金・融資・ローンを活用したいと考えている方もいるでしょう。
しかし、従業員を雇っているほうが融資がおりやすい傾向にあります。
1人での開業は成功率が低く、すぐに閉店してしまうリスクが高いためです。
また、助成金は原則として従業員を雇っていることが前提となっています。
ネイルサロン開業資金はいくら必要?費用の内訳・節約方法も紹介
ネイルサロンを1人で開業するメリット

つづいては、ネイルサロンを1人で開業するメリットを紹介します。
ネイルサロンを1人で開業することには多くのメリットがあります◎
自由に経営できる
ネイルサロンを1人で開業するメリット1つ目は、自由に経営できる点です。
ネイリスト仲間や家族などと一緒に開業する方もいますが、共同経営者がいると運営方針の違いでぶつかる恐れがあります。
自分が理想とするサロン経営を100%実現するためには、1人で開業するのが理想的です。
人間関係に悩まない
ネイルサロンを1人で開業すると、人間関係に悩まずに済むメリットもあります。
従業員を雇うと、少なからずストレスを感じたり、意見の食い違いによってぶつかったりするリスクがあります。
また、複数の従業員を雇う場合は、従業員同士でトラブルになる可能性もゼロではありません。
ネイル業界は女性スタッフが大半を占めており、人間関係のトラブルが起こりやすいといわれています。
サロン勤務時代に人間関係に疲弊した経験があると、余計に1人で経営する快適さを実感しやすいでしょう。
人件費が不要
ネイルサロンを1人で開業すると、人件費がかからないメリットもあります。
ネイルサロンの利益は売上から経費を引いたもので、経費の多くを占めるのが人件費です。
開業直後は売上が安定しないため、従業員への賃金の支払いに苦労する可能性があります。
利益は自分の給与として反映される
ネイルサロンを1人で開業すると、利益は自分の給与として反映されます。
従業員を雇う場合、お店の利益が少なくても最低賃金額は支払わなくてはいけません。
時には、店長である自分の給与を削らなくてはいけないケースもあるでしょう。
ネイルサロンを1人で開業すると、利益のすべてが自分の取り分となるため生活が安定しやすいでしょう。
1人でネイルサロン開業は失敗しやすい?注意すべきポイント

ネイルサロンの3年以内の廃業率は90%前後で、特に個人ネイルサロンは失敗リスクが高いといわれています。
個人ネイルサロン開業が失敗しやすい理由は、1人でできる業務には限界があり、売上を伸ばしにくいためです。
また、資金力でフランチャイズやチェーン店に敵わず、お客様を集客しにくいデメリットもあります。
1人でネイルサロンを開業する際に注意すべきポイントは以下の3つです。
1人でできる業務は限られているため、業務を効率化することをおすすめします。
また、ホームページやSNSなどを活用して集客対策を行いましょう。
病気や妊娠・出産などで働けなくなったときのために、何かしらの対処法を考えておくことも重要です。
具体的には、代理店長候補を探しておく、店舗を探している方に事業継承するなど対処法が挙げられます。
ネイルサロン1人開業に関するよくある質問
最後に、ネイルサロン開業に関するよくある質問に回答します。
ネイリストとしてサロン経験なしでも開業できる?
ネイリストとしてサロン経験がなくても開業は可能です。
ただし、ネイルに関する知識・技術を身につける必要があるため、ネイルスクールや通信講座で学ぶことをおすすめします。
また、「JNECネイリスト技能検定」や「JNAジェルネイル技能検定」などの資格を持っていたほうがお客様からの信頼を得やすいでしょう。
ネイルサロン開業に助成金は使える?
ネイルサロン開業に助成金・補助金を活用することは可能です。
ネイルサロン開業に使える助成金・補助金の一例を紹介します。
ただし、従業員を雇っていない場合は対象外となる助成金・補助金が多いため注意しましょう。
ネイルサロン開業で必要なものは?
ネイルサロン開業で必要な備品は以下の通りです。
これらの備品は、開店の1~3か月前になったら準備を始めましょう。
1人で悩まずプロに相談!ネイルサロン開業はネイルスクールで解決
1人での開業を目指す方は、ネイルスクールに通って基礎知識・技術を身につけることをおすすめします。
多くのネイルスクールでは就職・開業サポートを行っているため、1人で開業したい方の強い味方となってくれるはずです。
気になるネイルスクールが見つかったら、まずは説明会や体験入学に参加してみましょう◎
「開業コース」あり!独立したい人におすすめのネイルスクールランキング5選