ネイルサロン開業

自宅ネイルサロンの営業許可に必要なこと・届出や手続きなどの事前準備を紹介

接客をするネイリスト

「いつかは自宅ネイルサロンを開業したい」と考えているネイリストの方は多いのではないでしょうか。

ネイルサロンは開業手続きが容易といわれていますが、届け出や手続きが不要なわけではありません。

この記事では、自宅ネイルサロンの営業許可を取るための事前準備について解説します。

自宅ネイルサロンの営業許可とは?

施術中のネイリスト

自宅ネイルサロンの営業許可にあたるのが、税務署に提出する「開業届」です。

開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出」で、個人事業を開業したことを税務署に届け出るための書類となります。

自宅ネイルサロンを開業するにあたって、保健所や地方自治体への届出は必要ありません。

一方で、美容院やマツエクサロンを開業する場合、美容師法によって保健所に届出をすることが義務付けられています。

このことから、自宅ネイルサロン開業は他事業と比較すると開業手続きが容易といえるでしょう。

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自宅ネイルサロンの営業許可を取得しないとどうなる?

悩む女性

自宅ネイルサロン開業時に営業許可を取得する必要はありませんが、税務署への開業届を提出しなければなりません。

税務署に開業届を提出しなくても罰金や刑罰はありませんが、開業届と青色申告承認申請書を提出することで確定申告時に「青色申告」が可能となります

青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるため、税法上のメリットが大きいです。

参考:No.2070 青色申告制度|国税庁

自宅ネイルサロンを開業するなら、開業届と青色申告承認申請書を提出することをおすすめします。

賃貸マンションで開業する際はの貸主許可が必要

賃貸マンションで開業する際は、貸主の許可を得なくてはいけません。

居住用の賃貸物件は、事業用での使用が禁止されているのが一般的です。

借主に無断でネイルサロンを開業した場合、賃貸借契約違反となり、退去や違約金を命じられる可能性があります。

賃貸マンションでネイルサロンを開業する場合は、契約書を確認したうえで管理会社や借主に開業許可を得ましょう。

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自宅ネイルサロン【開業に必要な手続き】

パソコン作業をする女性の手元

自宅ネイルサロン開業に必要な手続きは、税務署に開業届を提出することです。

具体的にどのような方法で開業届を提出するのかを解説します。

開業届を税務署に提出

個人事業の開業届の正式名称は、「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

個人事業の開業・廃業等届出書は、事業開始日から1ヶ月以内に提出する必要があります。

1ヶ月以内に提出しなくても罰則はないものの、できるだけ早めに提出したほうが安心です。

開業届は最寄りの税務署で入手するか、国税庁のホームページからダウンロードしましょう。

パソコンからe-Taxソフトで開業届を作成し、そのまま提出することもできます。

参考:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

青色申告を希望する場合は、「青色申告承認申請書」の提出も必要です。

青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内に提出する必要があるため、個人事業の開業・廃業等届出書と同時に提出することをおすすめします。

参考:No.2070 青色申告制度|国税庁

国税庁に提出する開業届とは別に、都道府県税事務所に「個人事業税の事業開始等申告書」を提出する必要もあります。

個人事業税の事業開始等申告書の提出先や期限は、各都道府県によって異なります。

東京都の場合は、事業開始日から15日以内に所管の都税事務所に提出してください。

参考:事業を始めたとき・廃止したとき | 東京都主税局

事業開始等申告書は提出しなくても罰則はありません。

自宅ネイルサロン開業に資格は必須?取得するメリットや無資格デメリットを解説

自宅ネイルサロン【開業届提出後の流れ】

ネイル道具

税務署に開業届を提出したあとの流れを5つの項目に分けて解説します。

ネイルサロンの事業計画書を書く

ネイルサロン開業にあたって、事業計画書を作成しましょう。

事業計画書を作成する理由は、「経営を安定させるため」と「スムーズに融資を受けるため」の2つです。

ネイルサロンの経営を安定させるためには計画性が必要なため、最初に事業計画書を作成しておくとスムーズに経営を進められます。

事業計画書を作成するもう1つのメリットは、銀行などの金融機関から融資を受ける際に有利となる点です。

金融機関は、利益が見込めない事業には融資できません。

開業前はまだ実績がないため、金融機関が「貸したお金を回収可能か」を判断するうえで事業計画書は重要な資料となります。

事業計画書に書く主な内容は以下の通りです。

  • 事業計画書表紙(創業場所、開業予定日、個人・法人など)
  • 開業の目的や動機
  • 経営者の経歴
  • サービス内容
  • 取引先
  • 借入状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し

開業形態の選定

ネイルサロンの方向性が決定したら、開業形態を選択しましょう。

一口にネイルサロン開業といっても、テナント(店舗)やフランチャイズ、自宅ネイルサロンなど形態はさまざまです。

今回は自宅ネイルサロンをクローズアップしていますが、自宅ネイルサロンにもメリットとデメリットがあります。

よく考えたうえで、自分に合う開業形態を選択してください。

ターゲットとコンセプトを決める

開業形態が決まったら、次にターゲットとコンセプトを決めましょう。

「若い世代向け」「シニア向け」などターゲットとなる客層を絞ったうえで、コンセプトやサービス内容を決定するとスムーズです。

近隣のネイルサロンをリサーチして、そのエリアで需要の高いサービスを提供してもよいですし、逆に他サロンがやっていないサービスを提供して差別化を図る方法もあります。

自分が得意な技術を前面に押し出すのもおすすめです。

備品・設備・内装を整える

次に備品・設備・内装を整えます。

内装工事が必要な場合は早めに取りかかり、内装がある程度整ったところで照明器具やインテリアを買い揃えましょう。

  • 照明器具
  • テーブルと椅子
  • インテリア
  • ネイルチップを入れるディスプレイ
  • ネイル商材 など

内装工事が完成したら、サロン内に備品やネイル商材を持ち込みます。

WEBやチラシにて宣伝

WEBやチラシによる広告宣伝は開店準備と並行して行います。

自宅ネイルサロンを開業しても、広告宣伝をしなければお客様は来てくれません。

ネイルサロンの広告宣伝にインターネットの活用は欠かせないため、できるだけ早くホームページを立ち上げたりSNSのアカウントを作成したりして準備をします。

資金に余裕があればチラシ配りによる宣伝広告も行いましょう。

自宅ネイルサロン開業に資格は必須?取得するメリットや無資格デメリットを解説

自宅ネイルサロン開業に資格は必要?有利な資格とは?

カレンダー

自宅ネイルサロン開業に資格は必須ではありません。

ただし、資格を保有していたほうがお客様から信頼を得やすいでしょう。

自宅ネイルサロン開業に有利な資格を3つ紹介します。

JNAジェルネイル技能検定試験

JNAジェルネイル技能検定試験は、NPO法人 日本ネイリスト協会(JNA)が主催する検定試験です。

ジェルネイルに関する知識・技術を問われる検定試験で、初級・中級・上級の3段階に分かれています。

自宅ネイルサロン開業を目指すなら中級以上の取得をおすすめします。

JNECネイリスト技能検定試験

JNECネイリスト技能検定試験は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が主催する検定試験です。

ネイル全般の知識・技術を問われる検定試験で、ネイル関連の資格の中で最も歴史があります。

3級・2級・1級の3段階に分かれていて、プロネイリストの基準となるのが2級以上です。

自宅ネイルサロン開業を目指すなら2級以上の取得をおすすめします。

JNAネイルサロン衛生管理士

JNAネイルサロン衛生管理士は、NPO法人 日本ネイリスト協会JNAが主催するネイルサロンの衛生管理に関する資格です。

ジェルネイル検定やネイリスト検定と比較すると優先度は低いものの、自宅ネイルサロン開業を目指すなら取得しておいたほうがよいでしょう。

JNAネイルサロン衛生管理士の魅力は、1日で取得可能な点です。

約180分間の講習を受けたあと、約20分間の確認テストに合格すると取得でき、合格率はほぼ100%といわれています。

ネイリスト検定とは?ネイル資格の種類と合格率・試験内容を難易度別に解説!

自宅ネイルサロン開業費用と内訳の一例

マニキュア

自宅ネイルサロン開業にあたって、開業資金が心配な方も多いのではないでしょうか。

自宅ネイルサロン開業費用と内訳の一例を紹介します。

用途 資金
改装費 約5~100万円
看板設置費用 約10~30万円
家具や照明などの購入費 約5~20万円
ネイル施術に必要な備品の購入費 約20~30万円
宣伝広告費 約5~10万円

自宅ネイルサロンの開業費用は約50万円~です。

自宅の一角を利用して開業する場合、敷金や礼金などの物件取得費がかからないため、比較的リーズナブルに開業できます。

ただし、内装工事が必要な場合は数百万円かかるケースもあります。

資金集めは早めに開始し、必要であれば金融機関に融資を申し込みましょう。

ネイルサロン開業資金はいくら必要?費用の内訳・節約方法も紹介

自宅ネイルサロン「営業許可」に関するよくある質問

よくある質問

最後に、自宅ネイルサロンの営業許可に関する質問に回答していきます。

自宅ネイルサロンの許可を取らないと違法なの?

自宅ネイルサロン開業に経営許可は必要ないため、許可を取らなくても違法ではなりません

この記事では、経営許可に近いものとして税務署に提出する開業届について解説してきました。

開業届を提出しなくても罰則はありませんが、提出することで青色申告が可能となります。

営業許可を取るメリットとデメリットは?

自宅ネイルサロンの営業許可=開業届として、メリット・デメリットを解説します。

税務署に開業届を出すメリットは、青色申告が可能となる点です。

具体的には以下のようなメリットがあります。

  • 最大65万円の特別控除が受けられる
  • 今年の赤字を翌年以降のの所得から差し引ける
  • 家族への給与を経費として計上できる
  • 貸倒引当金を経費にできる

青色申告のデメリットは、複式簿記による記帳が必須なため、白色申告と比較すると時間がかかる点です。

自宅ネイルサロンは営業許可の取得推奨!開業準備は計画的に

自宅ネイルサロン開業に営業許可は必要ありませんが、税務署に「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を出す必要があります。

青色申告を行うために、同時に「青色申告承認申請書」も提出してください。

また、都道府県税事務所に「個人事業税の事業開始等申告書」を提出することも推奨します。

開業届などを提出したあとは、事業計画書の作成や内装工事、備品・設備の準備を進めていきます。

開店直前に慌てないように、開業準備は計画的に行いましょう。

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