ネイルサロンに就職する際は、有利になるといわれているネイル資格。
「自宅ネイルサロン開業が目的であれば、資格は必要ないのでは?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。
今回は、自宅ネイルサロン開業を目指す人に向けて「ネイル資格の重要性」や「無資格によるデメリット」などをお伝えします。
これからネイル取得をすべきか悩んでいるという方は、ぜひ最後までご覧ください。
自宅ネイルサロンを開業するのにネイル資格は必須?

自宅ネイルサロンを開業するのに、特別な資格は要りません。
美容師や医療脱毛サロンで働く場合は国家資格必須ですが、ネイリストは民間資格のためすぐに独立開業を目指せます。
しかしネイル資格を取得すると、多くのメリットが得られます。
長く愛されるプロネイリストとして活躍し続けたいのであれば、ぜひ取得を検討しましょう。
自宅ネイルサロン開業に向けて|ネイル資格を取得するメリット

ネイル資格を取得すると得られるメリットは数多くあります。
この記事では、以下の3つを例に挙げて解説します。
お客様の信頼を高める
初めてネイルサロンに来店するお客様は「楽しみ」という期待より「不安の気持ち」の方が大きいといいます。
チェーン店や路面店ではない自宅サロンであれば尚更でしょう。
このような不安を拭うための重要な役割が「資格」です。
資格は「私は、このレベルの技術を習得していますよ」「だから安心してくださいね」という客観的な信頼確保にもなります。
新規顧客を獲得するためにも、積極的にネイル資格取得を目指すとよいでしょう。
ネイリストとして必要な知識・技術力が身につく
ネイル資格は、技術の習得だけでなくネイリストとしての正しい知識も身につきます。
学科内容では「爪の構造」や「爪の病気」に関することも学ぶため、プロとしての意識が高まります。
サロンワーク中にお客様から爪に関することで質問された場合も、正しい知識があれば的確に答えられ、信頼度が上がるでしょう。
このようなことからネイルの資格試験に向けた学習は、プロネイリストとして必ず役立つ経験だといえます。
上達スピードの速さが見込める
資格の勉強を通して基礎を学ぶことで、ネイリストとしての適応力が身につきます。
今まで挑戦したことのない新しいデザインが出てきても、基礎の応用として対処できるようになるので上達スピードはみるみるうちに上昇していくでしょう。
また、ネイルの資格試験は定められた時間内で仕上げなくてはなりません。
そのため、効率のよさを重視した動きが自然と身につくのです。
実際のサロンワークでも「時間内に施術を終わらせないと次に来店してくるお客様を待たせてしまう」という危機感が生まれるので、手際よくスムーズに作業をこなせるでしょう。
ネイル資格「未取得」によるリスクとデメリット

ネイル資格を取得していないと、以下のようなリスクやデメリットがあります。
それぞれ解説していきます。
段取りが悪い・大幅に時間がかかる
ネイル資格は時間内に施術を終えることができないと失格になってしまうため、効率よく綺麗に仕上げられるよう練習を重ねます。
この意識はサロンワークでも同様に継続され、常に「施術時間を短縮する方法」を考えながら動くようになります。
しかしネイル検定未受験者だと、時間配分に対する危機感が低くなりがちです。
そのため、施術時間を大幅にオーバーしてしまうこともあるでしょう。
いくらネイルの仕上がりがよくても、時間がかかりすぎるネイルサロンだと失客に繋がってしまう危険があり注意が必要です。
予期せぬトラブルに対応できない
実際にサロンワークを始めると、爪にトラブルを抱えたお客様も来店します。
しかし爪の病気やトラブルに関する知識がない状態だと、どのように対処していいのか分からず困惑してしまうかもしれません。
このような事態を避けるためにも、ネイル資格の取得は役立ちます。
JNECネイリスト技能検定では、爪の構造(皮膚科学)や爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)についての筆記問題も出題されます。
ネイリストであれば知っておくべき実践的な内容も多く含まれるので、知識を深めるためにも受験を強くおすすめします。
お客様に怪我を負わせてしまう可能性がある
ネイル道具には「ニッパー」や「ネイルシザー」など刃先を扱うものもあります。
これらは使用方法を誤ると、出血を伴う怪我の原因にもなりかねません。
ちなみに「JNECネイリスト技能検定試験」や「JNAジェルネイル技能検定試験」では、試験中に出血を負わせた場合失格対象です。
このことから、道具の扱い方の重要性は十分に理解できるでしょう。
ほかにも、ネイル商材にはさまざまな薬品が使用されます。
正しい知識がないまま使用を続けると、思いがけない事故につながる可能性もあります。
こうした状況を回避するためにも、資格試験を通してネイルの基礎知識をしっかりと身につけましょう。
自宅ネイルサロン開業におすすめのネイル資格3選

自宅ネイルサロン開業におすすめのネイル資格は、以下の3つです。
- JNECネイリスト技能検定試験
- JNAジェルネイル技能検定試験
- ネイルサロン衛生管理士
それぞれのおすすめ理由を解説します。
JNECネイリスト技能検定試験
「JNECネイリスト技能検定試験」は、正しい技術と知識の向上を目的とした実践的な資格試験です。
94万人以上の受験者実績があり、ネイル業界では最もメジャーな資格として知られています。
3級・2級・1級と、数字が若くなるにつれて試験の難易度も高くなるのが特徴です。
ネイリストとして必要な技術と知識の習得につながるため、自宅ネイルサロンを開業する際にも非常に役立つ資格だといえるでしょう。
級 | 3級 | 2級 | 1級 |
---|---|---|---|
試験内容 | 基本的な技術及び知識 | サロンワークで適用する技術及び知識 | トップレベルとして必要とされる技術及び知識 |
受験料 | 6,800円 | 9,800円 | 12,500円 |
参考:公益財団法人JNEC日本ネイリスト検定試験センター「試験概要」
JNAジェルネイル技能検定試験
「JNAジェルネイル技能検定試験」は、健全なジェルネイルの普及を目的とした検定試験です。
つまり、お客様に安心してジェルネイルの施術を受けていただくためにネイリストが正しい知識を理解する必要があるのです。
ネイルサロンでは、ジェルネイルの施術が60%以上を占めます。
ネイリストはほぼ毎日のようにジェルネイルを扱うことになるので、基礎的な部分からしっかりと理解しておく必要があるといえるでしょう。
級 | 初級 | 中級 | 上級 |
---|---|---|---|
資格内容 | 基礎的知識と技術の修得 | サロンワークに必要な専門的知識と技術の修得 | スペシャリストとして必要とされる総合的知識と技術の修得 |
受験料 | 9,900円 | 13,200円 | 16,500円 |
参考:JNA NPO法人日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」検定試験・資格制度
JNA認定ネイルサロン衛生管理士
「JNA認定ネイルサロン衛生管理士」は、ネイルサロンにおける衛生管理自主基準を普及し、ネイルサロンの現場で正しく活用するための資格制度です。
原則としてJNA認定校で実施される「衛生管理士講習会」に参加し、筆記試験に合格すれば資格取得できます。(現在はオンライン講習会でも可)
ネイリスト経験がなくても誰でも受験可能で、合格すれば認定証も発行されます。
お客様の信頼獲得にもつながるので、自宅サロンを開業する場合は積極的に取得を目指すとよいでしょう。
資格内容 | ネイルサロンの衛生管理に関する知識習得 |
---|---|
試験内容 | 理論講習180分、確認筆記テスト20問 |
受験料 | 一般:10,560円(JNA会員:6160円) |
参考:JNA NPO法人日本ネイリスト協会「ネイルサロン衛生管理士」資格制度
自宅ネイルサロンを開業する前に確認すべきこと

自宅ネイルサロンを開業する前に、以下の4点について確認しておきましょう。
- 開業のための費用
- 出店できる物件かどうか
- 出店する地域のお客様層
- 集客方法
それでは、上から順に解説します。
開業のための費用
自宅開業とはいえ、ネイルサロンを運営するためには少なくとも50〜100万円の初期費用が必要です。
まずは、施術に使用する機材や備品類を揃えます。
ネイルサロンに必要な「機材」「設備」の参考例は以下の通りです。
- ネイルデスク
- お客様用チェア
- 施術者用チェア
- デスクライト
- アームレスト
- ジェル用ライト
- お客様用スリッパ
- カラージェル・パーツ・ファイル等のネイル商材
- キッチンペーパー・コットン・マスク等の消耗品
- インテリアグッズ
- 収納家具等
これらのほかに、新規顧客を確保するための「広告費」も忘れずに計算しておきましょう。
ちなみに、大手美容予約サイトの掲載料金は数万円〜数十万円で、契約するプランによって大きく差が出ます。
広告費をかけずにSNSのみを活用して集客する手段もありますが、集客に関する専門的知識が必要なうえ、地道な作業を伴います。
また、自宅の一部をリフォームする場合は「内装・外装工事」に数十万円かかります。
このようなことから、ネイルサロン開業には「入念な準備期間」と「ある程度の資金集め」が必要不可欠だといえるでしょう。
出店できる物件かどうか
一般賃貸住宅は、店舗として商業利用を禁止しているケースもあります。
規約を無視してネイルサロンとして営業した場合、多額の違約金が発生する可能性もあるので注意が必要です。
このようなトラブルを招かないためにも、商業目的の利用が可能な物件なのか必ず確認しましょう。
出店する地域のお客様層
自宅ネイルサロンを出店する際は、地域のお客様層について事前に調べておく必要があります。
学生が多い地域であれば、トレンドを押さえたデザインや価格の安さが来店動機になりやすいでしょう。
主婦層が多い地域であれば、シンプルなデザインを豊富に用意し「家事をしても剥がれにくい」「爪にやさしい」などをアピールすると喜ばれます。
このように客層によって求めているものは異なるため、お店のコンセプトを決める際はしっかりと事前調査しておきましょう。
また、店舗の所在地も集客率に大きく影響を与えます。
東京都内であれば電車利用者が多いので、駅から徒歩数分でアクセスできる場所が理想です。
車移動がメインの地方の場合は、駐車場付きの物件を選ぶとよいでしょう。
集客方法
自宅ネイルサロンの場合、路面店のように通りすがりに訪れる来客は見込めません。
そのため、事前に集客方法を考えておく必要があります。
先ほどお伝えしたように「広告費をかけて大手予約サイトに掲載する」「SNS発信を積極的に行う」といった手段以外に「知人を顧客にする」のも有効的です。
人脈の広さやコミュニケーションスキルがあれば、口コミや紹介での来店も期待できるでしょう。
ネイルサロン開業コースがある!ネイルスクールランキングTOP3
こちらでは、開業に特化したコースを展開する東京都内のネイルスクールを3校ほどピックアップしました。
ランキング形式でご紹介するため、ネイルスクール選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
1位:ネイルスクールシンシア

おすすめ開業コース | ホームサロン開業完全マスターコース |
取得できるネイル資格 |
|
ネイル資格の合格実績(※) |
|
開業実績 | 公式HPに開業率の記載はなし なお、希望者の就職率は100% |
サポート内容 |
|
所在地 | 【東京新宿校】 東京都渋谷区代々木1-57-2 ドルミ代々木904 |
アクセス | JR代々木駅北口改札より徒歩1分 |
(※JNECネイリスト技能検定の合格率)
数あるネイルスクールのなかでも、開業に特化したコースが充実しているのは、ネイルスクールシンシアです。
一般的なネイルスクールの開業コースは1種類に限られますが、ネイルスクールシンシアでは目的に応じて2コースから選択できます。
例えば、週末限定ネイルサロンのように副業として開業したい場合は、ホームサロン開業コースがおすすめです。
集中的に基礎を学ぶカリキュラムで、一般的な開業コースよりも大幅に費用を抑えられます。
一方、自宅ネイルサロンでしっかり稼ぎたい方には、ホームサロン開業完全マスターコースが適しているでしょう。
こちらは上級資格の取得から経営に関する学習まで網羅したカリキュラムで、未経験からネイルサロンの開業を目指せます。
幅広いニーズに応えることから、近年では「ホームサロン開業といえばシンシア」といわれることも。
開業を目指して通学する生徒さんからは、以下のような口コミが寄せられています。
年齢的にサロン勤務が難しいので、サロンワークを教えていただけるのはとてもありがたいです。
(引用:Google)
授業では勿論ですが、LINEでわからない事を質問すると様々なアドバイスをいただけるのでとても助かっています。他のスクールでお世話になった事がありましたが、私にはcinciaが合っていると思いました。
(引用:Google)
なかには40〜50代からネイルを学んで開業を目指す方もおり、年齢を問わず挑戦しやすい環境が整っています。
「未経験の自分でも開業できるだろうか?」と不安を感じている方には、ネイルスクールシンシアがぴったりです。
2位:ヒューマンアカデミー

おすすめ開業コース | 新ネイルサロン開業講座 |
取得できるネイル資格 | 上記講座は資格取得対象外 |
ネイル資格の合格実績(※) |
|
開業実績 | 公式HPに開業率の記載はなし なお、就職率は91.6% |
サポート内容 |
|
所在地 | 【新宿南口校】 東京都新宿区新宿3丁目1-13 京王新宿追分ビル8F |
アクセス | JR新宿駅南口より徒歩3分 東京メトロ・都営新宿線 新宿三丁目駅 A1出口より徒歩2分 |
(※首都圏2021年10月のJNECネイリスト技能検定における合格率)
ヒューマンアカデミーの開業率は公表されていませんが、修了生の声(※)を見ると多数の卒業生が開業を実現していることがわかります。(※参考:ヒューマンアカデミー公式HP)
無料の開業セミナーも実施しているため、未経験者がネイリスト養成講座を受講しながら開業を目指すことも可能です。
開業希望者に向けた新ネイルサロン開業講座は、ネイリスト技能検定3級以上の取得者を主な対象としたオンライン講座です。
未経験者には資格取得を目指すネイリスト養成講座や検定対策講座が適しているため、いきなり開業講座を受講する方は多くありません。
こちらはすでに資格を取得している方や、ネイリストデビューを果たしている方に適した講座といえるでしょう。
ただし、有料の新ネイルサロン開業講座は、経営のノウハウを余すことなく学習できることが魅力です。
未経験から自宅ネイルサロンで高収入を得たい方は、資格取得に向けたコースとの同時受講を検討してください。
3位:アフロートネイルスクール

おすすめ開業コース | ネイルサロン開業スタートコース |
取得できるネイル資格 |
|
ネイル資格の合格実績(※) |
|
開業実績 | 公式HPに開業率の記載はなし なお、就職保証制度あり |
サポート内容 |
|
所在地 | 【新宿校】 東京都新宿区歌舞伎町2-46-3 西武新宿駅前ビル7F |
アクセス | JR新宿駅 東口より徒歩4分 西武新宿線 西武新宿駅 北口より徒歩1分 大江戸線 新宿西口駅 D5口より徒歩3分 |
(※JNECネイリスト技能検定の合格率)
アフロートネイルスクールでは、3つのホームサロン開業コースと、2023年10月に開始した独立開業サポートアカデミーを展開しています。
前者はネイルの基礎を学びつつ、開業の知識を身につけるベーシックなカリキュラム。
後者は黒崎えり子氏直伝の技術力・接客力・経営力を学ぶハイレベルな講座です。
なかには在学中に自宅ネイルサロンを開業した卒業生もおり、アフロートネイルスクールを選択した理由を以下のように語っています。
一番の決め手はアートやサロンワークが学べて、「痛ネイル」のセミナーを定期的にやっていたところです!
(引用:アフロート公式HP)
やっぱり大手の安心感がありました。
(引用:アフロート公式HP)
一方、一部の人からは気になる口コミも寄せられています。
その他オプションはお金だいぶかかる。人多すぎて全然教えてもらえた感じしないし先生も一定の人の所にずっといたり。
(引用:Google)
大手ならではの制度が整っている点や、アートセミナー・開業サポートが充実している点は高く評価されています。
しかし、生徒数が多い校舎では、実技指導を受ける時間が限られることがデメリットです。
アフロートネイルスクールでは開業の知識を十分得られますが、短期間で技術力を高めたい方には上位の少人数制ネイルスクールが適しているでしょう。
自宅ネイルサロン開業前にネイルスクールでノウハウを学ぼう

この記事では、自宅ネイルサロン開業に必要な知識やネイル資格の重要性をお伝えしました。
自宅ネイルサロンは手軽に始められる一方で集客が難しく、ある程度の経営ノウハウも学ばなければなりません。
ネイルスクールでは、自宅ネイルサロン開業者に向けたサポートも行っています。
「開業に興味があるけど不安……。」と感じる方は、この機会にネイルスクールの受講を検討してみるのもよいでしょう。
もちろんネイル資格取得に向けたコースも充実しているので、興味があるネイルスクールを見つけたら資料請求してみてはいかがでしょうか?