ネイリストを目指すなら取得しておきたい資格のひとつに、ジェルネイル検定(JNAジェルネイル技能検定試験)があります。
ジェルネイル検定には初級・中級・上級の3段階がありますが、プロネイリストとしてネイルサロンで働くならジェルネイル検定中級の取得を目標とするとよいでしょう。
この記事では、ジェルネイル検定中級の概要や取得するメリット、合格率を上げるコツなどを解説します。
ジェルネイル検定中級とは?

ジェルネイル検定(正式名称:JNAジェルネイル技能検定試験)は、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催する検定試験です。
健全なジェルネイルの普及を目的にジェルネイル検定を実施しています。
「ジェルネイル検定中級」の試験内容や合格率を見ていきましょう。
試験内容
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)では、ネイルケアとジェルネイルを施術するために、プロとしてサロンワークに必要な知識・技術の修得を目指します。
ジェルネイル検定中級では、実技試験と筆記試験を行い、さらに実技試験では第1課題と第2課題の2つの試験があります。
筆記試験はマークシート方式で試験時間は30分間です。
試験内容は以下を参考にしてください。
- ネイルに関する基礎知識(衛星と消毒/爪の構造/爪の病気とトラブル/ネイルケア・ジェルネイルの手順 など)
- ジェルネイルに関する基礎知識
筆記試験は100点満点中80点以上で合格となります。
実技試験の試験内容は以下の取りです。
事前審査(10分) |
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第1次課題(30分) |
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インターバル(15分) | |
第2次課題(85分) |
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第1次課題と第2次課題の間に15分間のインターバルを挟み、第1次課題の片付けと第2次課題の準備を行います。
実技試験は100点満点中70点以上で合格となります。
参考:NPO法人 日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」
受験資格
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)の受験資格は、ジェルネイル検定初級(JNAジェルネイル技能検定試験初級)の合格者であることです。
ジェルネイル検定中級受験時には、ジェルネイル検定初級の合格認定番号が必要となります。
なお、ジェルネイル検定初級は義務教育を修了していれば誰でも受験できます。
受験料
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)の受験料は、13,300円(税込)です。
試験施行中止以外、いかなる理由があっても返金は行われません。
また、第1次試験免除者や筆記試験免除者に対して受験料の割引もないため注意しましょう。
参考:NPO法人 日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」
開催場所
ジェルネイル検定(JNAジェルネイル技能検定試験)の開催場所は、全国7箇所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)です。(2024年6月時点)
開催場所は全級共通です。
申込状況によっては、希望の地区以外の受験地へ振替や定員制への変更による抽選となる可能性があります。
参考:NPO法人 日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」
難易度・合格率
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験)の合格率は、約60%といわれています。
合格率60%と聞くと、難易度はそれほど高くないように感じるかもしれません。
しかし、ジェルネイル検定中級では、「プロとしてサロンワークに必要な知識・技術」を求められるため、しっかりと学ばないと合格は難しいでしょう。
なお、JNAジェルネイル技能検定試験初級の合格率は約70%、JNAジェルネイル技能検定試験上級の合格率は約45%といわれています。
ネイリストは資格なしや未経験でもなれる!就職や開業のために必要な資格と取得のメリット・デメリットを紹介
ジェルネイル検定中級の「免除制度」ってなに?

ジェルネイル検定(JNAジェルネイル技能検定試験)では、一部試験に免除制度が設けられています。
ジェルネイル検定中級の場合、ネイリスト検定(JNECネイリスト技能検定試験)2級以上に合格している場合、実技試験の第1課題が免除されます。
免除制度を利用する場合は、申し込み時にJNECネイリスト技能検定試験の合格番号を記入してください。
また、前回もしくは前々回に筆記試験のみ合格している場合、筆記試験が免除されます。
免除制度を利用する場合は、申し込み時に筆記試験に合格した際の合格番号を記入してください。
ジェルネイル検定中級を取得するメリット

続いては、ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)を取得するメリットを3つ紹介します。
「勉強時間を確保できない」「受験料が高い」などの理由から、受験を迷っている方はぜひチェックしてみてください。
サロン就職に有利
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)を取得しておくと、ネイルサロン就職の際に有利です。
ネイリストには美容師のような国家資格はなく、ネイルサロン側が採用してくれれば無資格でも働けます。
しかし、現実的にはネイルサロン側は即戦力となる人材を求めています。
プロネイリストに必要な技術・知識を持っている基準となるのが、「JNAジェルネイル技能検定試験中級」「JNECネイリスト技能検定試験2級」以上です。
無資格の方よりも、ジェルネイル検定中級以上を持っている方のほうがスムーズに就職できる可能性が高いでしょう。
ただし、どちらかといえばJNECネイリスト技能検定試験の方が重視される傾向にあります。
ジェルネイル検定中級だけでなく、ネイリスト検定(JNECネイリスト技能検定試験)2級以上もあわせて取得しておくことををおすすめします。
趣味ネイルの上達
趣味でネイルを楽しみたい方も、ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)を取得するメリットがあります。
セルフジェルネイルに挑戦しようと思っても、なかなか上手くいかなかった経験はありませんか。
ジェルネイルを上手に施すためには正しい知識・技術が必要なため、たとえ趣味ネイルであっても資格を持っていて損はありません。
趣味であれば、ジェルネイル検定初級(JNAジェルネイル技能検定試験初級)でも問題ありませんが、初級に合格したら次はぜひ中級合格を目指してみてはいかがでしょうか◎
ジェルネイル検定上級の受験資格を得る
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)を取得すると、上級の受験資格を得られます。
ジェルネイル検定上級(JNAジェルネイル技能検定試験上級)は、ジェルネイルのスペシャリストとして必要とされる総合的知識・技術の修得を目指す資格です。
ネイルサロンは、より優秀な人材を求めているため、ジェルネイル検定上級を取得しておくと就職活動の際に選択肢が広がります。
また、JNA認定講師資格試験の受験資格のひとつに「JNAジェルネイル技能検定試験上級を取得している方」と定められています。
ジェルネイル検定上級を取得しておけば、ネイル講師への道も開けるでしょう。
ネイリスト検定とは?ネイル資格の種類と合格率・試験内容を難易度別に解説!
ジェルネイル検定中級の合格率を上げるコツ

「ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)の一発合格を目指したい」という方は多いでしょう。
そこで筆記試験と実技試験に分けて、ジェルネイル検定中級の合格率を上げるコツを紹介します。
筆記試験
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)の筆記試験は、JNA出版のテキスト「JNAテクニカルシステム ベーシック」と「JNAテクニカルシステム~ジェルネイル~」から出題されます。
まずはテキストをしっかりと読み込みましょう。
ジェルネイル検定(JNAジェルネイル技能検定試験)には公式問題集がないため、日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が発行する公式問題集を活用するのがおすすめです。
ネイリスト検定(JNECネイリスト技能検定試験)とジェルネイル検定(JNAジェルネイル技能検定試験)の筆記試験は、試験内容が重複している部分があるため、ぜひ活用してみてください。
実技試験
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)実技試験の第1次課題では、カットスタイルをラウンドにし、フリーエッジの仕上がりは長くても5mm以下に整えます。
このとき、5本すべての形と長さのバランスを整えることを意識しましょう。
カラーリングは色ムラやハケ筋に注意しながら、左手5本に丁寧に施します。
実技試験の第2課題では、右手中指以外のフリーエッジの仕上がりは長くても5mm以下に、右手中指は2~3mm程度に整えます。
イクステンションのCカーブは10%程度、ピンチは指のみで行うなどポイントをしっかりと押さえておきましょう。
ジェルネイル検定中級では、仕上がりのよさはもちろんのこと、道具の使い方が安定していることが重要なポイントです。
ひたすら練習を重ねて、スピーディーかつ安定感のある施術を心掛けてください。
ジェルネイル検定上級は難しい?合格率や試験日程・ミスしやすいポイントを解説!
ジェルネイル検定中級の試験対策に!おすすめネイルスクール3選
ジェルネイル検定中級を対象としたコースは、主に以下の2種類に分かれます。
- 知識ゼロから中級取得を目指せる、初心者向けのネイリスト養成コース
- 中級対策のみを実施する、経験者向けの検定対策コース
今回は、上記の2コースをどちらも展開するネイルスクールをご紹介します。
初心者の方は、表に記載されたおすすめのコースをぜひ参考にしてください。
1位:ネイルスクールシンシア

JNA認定校 | ○ |
講師の質 | 認定講師・本部認定講師が多数在籍 |
ジェルネイル検定中級コース | ジェルネイルマスターコース |
合格率(※) |
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就職率 | 100% |
サポート内容 |
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所在地 | 【新宿校】 東京都渋谷区代々木1-57-2 ドルミ代々木904 |
アクセス | JR代々木駅北口改札より徒歩1分 |
(※JNECネイリスト技能検定試験の合格率。JNAジェルネイル技能検定試験の合格率は公式HPに記載なし。)
ネイルスクールシンシアは、10年以上の実績を持つJNA本部認定校です。
授業の質・価格・就職サポートのすべてにおいて満足度が高いことから、ランキング第1位に輝きました。
少人数制クラスを認定講師が担当するため、授業の質には定評があります。
就職サポートが手厚く、就職率100%を維持している点も高く評価されました。
未経験からジェルネイル技能検定中級を取得する場合は、ジェルネイルマスターコースがおすすめです。
受講料金は約49万円ですが、キャンペーンを適用すると総額は40万円以下に抑えられます。
材料費を含んでいる点を考慮すると相場価格よりも非常に安価で、予算が限られている方でも通いやすいでしょう。
2位:アフロートネイルスクール

JNA認定校 | ○ |
講師の質 | 全校に本部認定講師が在籍 |
ジェルネイル検定中級コース | プロフェッショナルネイルコース |
合格率(※) |
|
就職率 | 公式HPに記載なし |
サポート内容 |
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所在地 | 【新宿校】 東京都新宿区歌舞伎町2-46-3 西武新宿駅前ビル7F |
アクセス | JR新宿駅 東口より徒歩4分 西武新宿線 西武新宿駅 北口より徒歩1分 大江戸線 新宿西口駅 D5口より徒歩3分 |
(※JNAジェルネイル技能検定試験の合格率)
アフロートネイルスクールは、全国20箇所以上に校舎を構える大手ネイルスクールです。
未経験者でも短期間で資格取得・転職を叶えられることから、第2位にランクインしました。
校舎によって講師は異なりますが、全校がJNA認定校もしくはJNA本部認定校です。
各校に1名以上の本部認定講師が在籍しており、講師の質も申し分ありません。
JNAジェルネイル技能検定中級を対象にしたプロフェッショナルコースの受講回数は34回と、他のネイルスクールより少なめです。
回数が少ない分、受講料金を約42万円(※)に抑えられることや、短期間で卒業を目指せることも魅力でしょう。(※首都圏の受講料金。地域によって価格差あり。)
学習できる時間が限られている社会人や主婦の方も通いやすいネイルスクールです。
3位:ヒューマンアカデミー

JNA認定校 | ○ |
講師の質 | 全校に本部認定講師が在籍 |
ジェルネイル検定中級コース | トップネイリスト総合コース |
合格率(※) |
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就職率 | 91.6% |
サポート内容 |
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所在地 | 【新宿南口校】 東京都新宿区新宿3丁目1-13 京王新宿追分ビル8F |
アクセス | JR新宿駅南口より徒歩3分 東京メトロ・都営新宿線 新宿三丁目駅 A1出口より徒歩2分 |
(※首都圏2021年10月のJNECネイリスト技能検定における合格率。JNAジェルネイル技能検定試験の合格率は公式HPに記載なし。)
ヒューマンアカデミーのトップネイリスト総合コースは、約1年かけてJNAジェルネイル技能検定中級取得を目指すコースです。
ネイルの基礎から学習できるカリキュラムで、これからネイルに挑戦する初心者に適しています。
受講費用は約57万円とやや高額ですが、時間をかけてじっくり学びたい方にはぴったりでしょう。
すでに初級の資格を取得している方は、検定対策講座を検討してください。
受講費用は対象資格によって異なりますが、JNAジェルネイル技能検定中級対策講座は約6万円です。
未経験者にはやや不向きな講座ですが、経験者は時間とお金を無駄にすることなく、効率的に学習を進められます。
ジェルネイル検定中級に関するよくある質問

最後にジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)に関するよくある質問に回答していきます。
トレーニングハンドってなに?
トレーニングハンドとは、「手のマネキン」を指す言葉です。
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)の第2次課題は、本来モデル同伴ですが、新型コロナウイルス感染症の期間限定措置としてトレーニングハンドとなっています(2024年6月時点)。
トレーニングハンドを忘れた場合、モデルを同伴した場合は受験できません。
なお、ジェルネイル検定中級試験で使用できるトレーニングハンドには以下のような規定があります。
- 1人2個、「右手用」「左手用をそれぞれ1個ずつ」「右手用を2個、左手用を2個」のいずれかをワンセットで使用する
- キューティクル周りに著しい汚れや傷がついていない清潔なものを使用する
- 自分で文字や線などを記入したトレーニングハンドは使用できない
- アームや吸盤などは使用できない
- 手首部分があるものを使用する(指が着脱可能なものは使用不可)
- 試験開始時に擦式清拭消毒をする
- トレーニングハンドに装着できるのは、チップ、フォーム、品名ラベルのみ
- 使用するチップはナチュラルのみで、10本すべてに装着してくる
- チップはフリーエッジを事前に10本ラウンドに整えておく(サンディングは試験時間内に行う)
- チップサイズや装着状態が適切か事前に確認しておく
- アームレスト、タオル、ペーパーの上で施術を行い直置きしない
参考:NPO法人 日本ネイリスト協会「JNAジェルネイル技能検定試験」受験資格・試験内容
ジェルイクステンションとアクリルスカルプチュアはなにが違うの?
イクステンションには「延長」という意味があり、ネイル業界では爪の長さ出しを指す言葉です。
つまり、ジェルイクステンションは、ジェルを用いて爪の長さ出しを行う技術になります。
一方のアクリルスカルプチュアは、アクリルパウダーとアクリルリキッドを混ぜたもので長さを出す技術です。
ネイルマシーンは使用しても大丈夫?
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)の第1課題では、ネイルマシーンの使用が禁止されています。
ジェルオフ以外にネイルマシーンを使用した場合は、失格となるため要注意です。
【2024年最新】ジェルネイル資格|ネイリスト通信講座おすすめランキング10選
ジェルネイル検定中級の一発合格を目指すならネイルスクール!
ジェルネイル検定中級(JNAジェルネイル技能検定試験中級)を取得すると、サロンワークに必要な知識・技術を持っている証明となります。
ジェルネイル検定中級を持っているとネイルサロン就職に有利なため、プロネイリストを目指す方は取得することをおすすめします。
ジェルネイル検定中級の合格率は約60%ですが、半年ほど前からしっかりと準備をしないと合格は難しいでしょう。
この記事を参考に、ジェルネイル検定中級の取得を目指してください◎