ネイルで美しくなった手元を見て、気分が明るくなった経験はありませんか。
高齢者でネイルを楽しむ方も増加しており「福祉ネイル」が注目されています。
本記事では、高齢者や介護施設にサービスを提供する福祉ネイルについて解説します。
福祉ネイルや福祉ネイリストに関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
福祉ネイルとは

福祉ネイルとは、高齢者や障害がある方向けのネイルサービスです。
高齢や障害などを理由に、ネイルサロンまで足を運ぶのが難しい方は少なくありません。
そこで、ネイリストが介護施設や利用者の自宅に訪問しネイルを施します。
年齢を重ねても外見に気を遣う女性は多いため、指先が美しくなることで気持ちが前向きになる傾向にあります。
高齢者や障害者の方の指先を美しくすることで、日常生活にメリハリと潤いを与えられるのが福祉ネイルです。
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福祉ネイルと通常のネイルサロンの違い

福祉ネイルと通常のネイルサロンの違いを、4つの項目に分けて解説します。
- 対象者
- 施術場所
- 施術時間
- 施術内容
それぞれの違いについて確認してみましょう。
施術の対象者
福祉ネイル | 高齢者、障害がある方 |
通常のネイルサロン | ネイルサロンに来店した方 |
福祉ネイルの主な対象者は、高齢者や障害がある方です。
自分自身でネイルサロンに足を運べない方を対象としています。
たとえ同行者がいても、病気によっては店舗での施術が難しいケースも少なくありません。
通常のネイルサロンは、店舗に来店した方はすべて施術対象者です。
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施術場所
福祉ネイル | 介護施設、利用者の自宅 |
通常のネイルサロン | 店舗 |
通常のネイルサロンは原則として店舗で施術を行います。
一方の福祉ネイルは、デイサービスや老人ホームなどの介護施設が主な施術場所です。
場合によっては利用者の自宅まで出張するケースもあります。
施術時間
福祉ネイル | 10~20分 |
通常のネイルサロン | 1~2時間 |
通常のネイルサロンは多彩なメニューからお客様の要望にあわせて施術を行うため、施術時間は1~2時間が平均的です。
一方で、福祉ネイルは利用者の体力を考慮し、10~20分に留めるケースが多いようです。
施術内容
福祉ネイル | ネイルケア、ハンドマッサージ |
通常のネイルサロン | マニキュア、ジェルネイル |
通常のネイルサロンでは、マニキュアやジェルネイルがなどを用い、爪を綺麗にすることが主な目的です。
一方の福祉ネイルでは、ネイルケアやハンドマッサージを中心に行います。
要望があった場合はマニキュアを施すこともありますが、時間がかかるジェルネイルを用いた施術は稀でしょう。
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福祉ネイルの魅力

福祉ネイルの魅力は、仕事を通じて社会貢献できることです。
少子高齢化の進む日本社会において、高齢者を美容の領域から支えられます。
自宅にこもりがちな高齢者にネイルを施したところ、以前よりも身だしなみに気を遣うようになったり、笑顔が見れるようになったりした例もあります。
指先が美しくなったことで気分が明るくなるだけでなく、ネイリストとの会話を楽しみにしている方も少なくありません。
福祉ネイリストのやりがいは、利用者の笑顔を見られたり「ありがとう」の言葉をもらえることです。
福祉ネイルの注意点

福祉ネイルを施すうえで注意したいのは、事前に利用者の健康状態を把握して、無理のない施術を行うことです。
認知症や障害のある方は、突然大きな声を出したり椅子から立ち上がったりする可能性があります。
利用者の行動をある程度予測しておかないと、思わぬケガにつながる可能性もあります。
事前に利用者の家族や介護施設の担当者にヒアリングを行い、健康状態や注意点を把握しておきましょう。
また、利用者に対してどのくらいの時間で終わるのかを伝えておくとよいでしょう。
福祉ネイルにネイリスト資格は必要?

福祉ネイルにネイリスト資格は必須ではありません。
しかし、ネイルに関する知識・技術はもちろん、高齢者や障害者の方に対する理解が必要です。
福祉ネイリスト向きの専門資格として、「福祉ネイリスト認定制度」があります。
講義と実技講習を受講後、実技試験と実地研修を経て資格を取得できます。
とはいえ、一般的な認知度はJNECネイリスト技能検定やJNAジェルネイル技能検定の方が高いといえます。
これからネイルの勉強を始めるのであれば、まずは上記2種類の資格取得を目指すとよいでしょう。
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福祉ネイリストの働き方

福祉ネイリストに関心はあっても、スケジュールや給与に不安を感じていませんか?
ここでは、福祉ネイリストの働き方について具体的に解説します。
1日のスケジュール
福祉ネイリストは正社員ではなく、施設や事業者からの業務委託を受ける働き方が一般的です。
日本保健福祉ネイリスト協会などの団体に所属すると、仕事を紹介してもらえる場合もあります。
福祉ネイリストの仕事時間はある程度自分で調整できるため、家事や育児との両立も可能です。
本業として長時間働くことも可能ですが「週に2日のみ」「午後のみ」などの柔軟な働き方ができるため、副業に福祉ネイリストを選ぶ方も少なくありません。
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給与と待遇
福祉ネイリストの報酬は1人につき1,000~3,000円程度が目安です。
通常のネイルサロンと比較すると低めの印象ですが、1人に必要な施術時間は20分程度と短いため、数名担当すると日給1~3万円になるケースもあります。
複数の施設から仕事を受注できると、副業でも月収10万円以上の収入が見込めます。
「ハンドマッサージをセットにする」「爪トラブルの相談も受け付ける」などの付加価値をつけることで単価アップも可能なため、高収入を狙う方はぜひ工夫してみましょう。
福祉ネイルに関するよくある質問

福祉ネイルに関するよくある質問に回答します。
福祉ネイルとネイルボランティアは何が違う?参加方法は?
ネイルボランティアとは、介護施設などでネイル施術を無償で行うことです。
福祉ネイルが有償であるのに対して、ネイルボランティアは無償のボランティアとなります。
ネイルボランティアは、NPO団体やボランティア団体で募集をしています。
興味がある方はインターネットで「ネイル ボランティア」などのワードで検索し情報を入手しましょう。
ただし、現地までの交通費やネイル道具代はすべて自己負担となるため注意してください。
福祉ネイリストの平均月収はいくら?
福祉ネイリストの平均月収は10万円前後です。
福祉ネイリストは、施設や事業者からの業務委託として働くケースが多く、業務時間は人それぞれ異なります。
よって平均月収は出しにくいものの、1つの目安として10万円前後を目安に考えておきましょう。
複数の施設から仕事を安定して受注できると、副業でも月収10万以上稼ぐことが可能です。
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福祉ネイルはどんなデザインが人気?
福祉ネイルは、マニキュアを塗るだけのシンプルなデザインが人気です。
ネイルケアやハンドメッセージが主な施術内容となりますが、要望があった場合はマニキュアを塗ることもあります。
時間がかかるジェルネイルを施術するケースは稀で、安全性の観点からストーンなどの派手な装飾を行うこともほとんどありません。
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福祉ネイリストの資格にはどのくらいの費用がかかりますか?
福祉ネイリストの資格を取得するための費用は以下の通りです。
講習費:88,000円、登録料3,000円、材料費別途
(ネイリスト検定2級取得の場合は講習費44,000円、登録料3,000円、材料費別途)
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福祉ネイリストは稼げますか?
福祉ネイリストは、開業・フリーランスとして個人で活躍する人と、正社員や派遣社員として会社に所属している人はいます。
個人で活動する人でも施設や会社から業務委託として働く方も多いです。
施術時間は約20〜30分程度で、1,000〜3,000円程度が相場です。
資格なしでも福祉ネイリストになれますか?
ネイリスト検定と同様に無資格でも福祉ネイリストになれます。
ただし、日本ネイリスト協会や日本保健福祉ネイリスト協会が主催する資格を取得していた方が、お客様への信頼感につながったり、福祉ネイリストとして必要な技術が取得できたりするでしょう。
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福祉ネイリストと普通のネイリストの違いは何ですか?
大きな違いはネイルを施術する相手の違いです。福祉ネイリストは高齢者や身体を動かしにくい人、精神疾患を持っている人などにネイルを施します。
福祉ネイリストは基本的に出張サービスなため、老人ホームや病院などを訪問してサービスを行います。凝ったデザインよりも、シンプルで爪先が綺麗に見えるようなデザインが多いです。
福祉ネイリストの年会費はいくらですか?
福祉ネイリストの資格を取得したら、日本保健福祉ネイリスト協会に所属します。年会費は3,000円です。
ネイリストとして多様な働き方を目指すならネイルスクール!
福祉ネイリストを目指す場合、ネイルに関する確かな知識・技術は必要不可欠です。
多くのネイルスクールでは、知識ゼロの状態でもネイルの基礎をしっかりと学べます。
少人数制&フリータイム制を採用していているネイルスクールを選択すると、本業や育児が忙しい方でも通いやすいでしょう。
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